第十一話 八雲紫の物語、そう、俺の物語
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と元の腕には戻らない!お前はそれがわかっているのか!?」
いえ、俺は治せますが。
「それがどうした。俺みたいな奴の腕一本で部長が戻ってこられるんだぜ?こんなに安い取引はないだろう?」
「イカレているな・・・。だからこそ、迷いのない一撃を放てるのか・・・。怖いな。初めて俺はお前に心底畏怖した。だから!俺は全力でお前を倒す!」
「うおおおおおおおおおおおおおッッ!!」
二人の拳が、重なり合った、が、俺は唐突にわかった。すぐさまスキマを開いて鎧が消えた一誠をこちらに引き戻す。一誠は、俺が引き戻したこと、制限時間がまだあるのに鎧が消えたこと等で軽く処理落ちしている。
「何をしている」
「選手交代よ。一誠はもう限界だから、私がやるの」
「・・・『兵士』の力で良くやったと誉めてやろう。本当に良くやったよ。正直、ここまでやれるとは思わなかった。ドラゴン使いの力、この身で十分に体験できた。お前さんがあと一年・・・いや、あと半年、ドラゴンの力になれていたら俺は負けていただろうな。で、今度はお前がやるのか?」
「ええ、待っているから速くして」
「・・・何を待つと言うのだ?」
「あなたがフェニックスの涙を使うまでよ」
「ッッ!?・・・後悔するなよ・・・!」
怒りながら小瓶に入った水を飲み干す。すると、十字架やらで与えられたダメージが回復していく。
「さて、じゃあ始めようか」
「ええ」
そう言いながら、俺は一誠の手から十字架を取った。
『『へっ?』』
勿論、俺の種族は人間だ。十字架になんの抵抗もない。ここにいる殆どが信じられないものを見ているが、例外はいる。アーシアだ。以前使ったからな。
「な、な、な、な、なんなんだ!お前は」
ふふふ、良いわね、その畏れ。でも、まだ足りないわ。
有限と無限の境界を操作。無限の再生力を有限に。
適当な場所に十字架を置いて、幻覚ではないと再認識させる。
まだ足りないわ。では、
『境目「知能と脚の境界」』
技名は出さずに、右腕をもぎ取る。
勿論、再生などしない。
「がぁぁぁぁっ!何故再生しない!貴様!何をした!」
「それを私が教えるとでも?とにかく、あなたから不死性を取ったら何が残るのかしらね?」
妖艶に、妖しく、怪しく微笑む。ライザーだけでなく、周りの悪魔からも恐怖が流れ込んで来る。
これなら、至れる。
人類と人外の境界
種族を妖怪に。
かくして、幻想の境界は顕現した。
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