第十一話 八雲紫の物語、そう、俺の物語
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私はなる。妖怪賢者、神隠しの主犯、幻想の境界、八雲紫に。
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レーティングゲームが終わった。
俺は自分の力の無さを痛感した。勝つことはできる。一回勝てというのなら、ほぼ百パーセント勝てる。
だけど、勝ち続けることができない。
どこの鑢七実だよ。本当に、浮かれるのも大概にしろ。
俺には基礎的なことが足りていない。
「ホント、まだまだね」
女口調が完全に板についた。意識しないと男口調を表に出せなくなっている。
これも、俺がここで生きた証なんだな。
よくよく考えてみれば、戦闘経験、これで四度目。少ないにも程がある。そりゃあ、妖怪賢者八雲紫みたいにはなれねえよな。
俺はまだ、心が平和な日本人だ。ここ日本だけど。
「紫」
「紫さん」
幽々子と籃が呼び掛けてくる。「紫様」じゃなくて「紫さん」なのが、俺と籃の関係を表している。「式と主」ではなく、「家族」という関係性を。
「大丈夫だった?紫」
「ええ、無傷で帰って来たわよ。服は汚しちゃったけど」
無傷で帰って来たってのは本当だ。ただ、体力が尽きていただけだ。血やらで汚れた服は過去と現在の境界による時間逆流クリーニング。これぞ能力の無駄遣い。
「無理しないでください。内面はボロボロなんですから」
・・・・・・ははっ。やっぱ隠せなかったよ。そう。空元気だ。
疲労も抜けきってないし、精神的にもボロボロだ。
何だろう。能力を手に入れて粋がっていたガキだ。
「・・・そうね・・・もう少し休ませてもらうわ」
お言葉に甘えますか。
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Said籃
「・・・幽々子さん、紫さんのこと、どう思いますか?」
「も〜まださん付けで呼ぶ。幽々子でいいわよ〜」
頬っぺたプニプニしながら言う。羨ましい。
「でも、そうね、無理しすぎだと思うわ」
「やっぱり、幽々子さ・・・」
「(ジト〜)」
「・・・幽々子もそう思いますか」
細かい幽々様。いつもポワポワしているくせに。だが、そのジト目も(以下省略)
「単刀直入に言えば、一人で背負い過ぎなのよね」
「何故あそこまで一人で背負おうとするかわかりません」
「えっ?なんでわからないの?単純じゃない」
「・・・何故なんですか?」
幽々子に頭で負けた?九尾。
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