暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第2章 『ネコは三月を』
第28話 『ネコの傘』
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止されたが、所持している分には有効な資格――を所持する彼は限定付きといえども武装局員であることは変わらず、緊急時に武装局員として出撃をしなければならない。
「つまり、いざというときは強制的に戦闘に駆り出されるということですか?」
「いいえ。自衛の範囲内です」
現在の武装局員資格は一定の魔力を保有し訓練校を卒業した者にのみ任命される資格である。これは、基準となる魔力を有していない人間は武装局員になれないという、ある種、個人の夢を打ち砕く決まりであるが、管理局の考えとしては魔力を有していない人間を戦闘に出し、命を落とす結果に至らせない為というものであり、人命を守るという意味を持っている。
これが管理局の人材不足を加速させているが、それは余談として、昔を省みると、まだ管理局システムが安定していない頃にできた資格であり、今の管理局の考えにそぐわない資格であることは言うまでもなかった。限定付武装局員資格は最低限度デバイスを動作できる魔力を保有していれば取得できる資格なのだ。
「自衛でもかなり危険かと。返上、しないんですか?」
「工機課内で魔力を保有しているのは私だけなのです。修理する人間として手を抜くことはできません」
総合的に武装局員が自衛もするため、返上を局は推奨している。しかし、そこは自身の立場を自覚しているのか返上することはないと彼は言い切った。
「……それで、何故私なのだ? 私に限らなくてもいい話だろう?」
「他の方々は新人たちの教育を重視していますので、シグナム二等空尉の書類作業を微力ながら私も手伝い、空いた時間を動作確認に割いていただこうかと」
ふむ。とシグナムは顎を引く。微力ながらというのが謙遜以外の何物でもないということは六課内の誰もが思う事である。彼は考えて作成する論文のようなものはさておき、思考を伴わない報告書の類は、隻腕にも関わらず六課内の誰よりも速い。
普段書類作成を苦手とする彼女にとってそれはまたとない機会ではあるが、裏を返せば楽をするというものにもなり、2つ返事をしようとして踏みとどまった。
それ以外にも懸念すべきものがあり、シグナムは直立しているコタロウを足先から頭上まで視線を動かす。
(魔力が低い)
彼に魔力で探りを入れてみると、彼の魔力は小さく、武装局員になれるほどの魔力を有していないことが分かる。『傘』であるデバイスで戦う限り、戦闘方法も特殊なものだろうと思うが、攻略し難いともいえず、かえって彼に怪我を負わせてしまう可能性があり、危険性の伴うものになってしまう。
戦闘が好きなシグナムはあるが、思い切り戦えない相手では精神的に負荷が多すぎてしまい、それが原因で溜まる疲労は避けたかった。
「その条件は魅力的だが、私に
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