暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第2章 『ネコは三月を』
第27話 『それは秘密』
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念話で言ったことが間違いないことであると理解した。


[ネコは自分の考えをちゃんと持ってるし、感情が全くないわけじゃない]
[深層で眠っているに近い状態であると思うの]
[俺たちの命を助けてもらったお礼として――いや、それはおこがましいな。親友としてやりたいだけだ]
[私たちが眠っている彼の感情を呼び起こし、引き摺りだして、表面、表情まで引き上げたいのよ]
[悲しさはネコの父親が教えた。嬉しさ、楽しさはこの俺――]
[この私が見つけたわ]


 よくもぬけぬけと。と、そこからまた口論が始まってしまったが、今、夜道を歩く彼の無表情ながらも纏っている雰囲気は満足感以外の何物でもなかった。
 今度はコタロウのほうからヴィータに話しかける。


「ヴィータは――レディは止めろと車内で訂正させた――今日、楽しかったですか?」


 心配というよりも寧ろ、疑問に近く、コタロウは首を傾げる。
 彼から視線を逸らし正面を向いて考える彼女は、今日は夜からかなり色々なことがあったとひとつひとつ指を折る。
 大変で、訓練以上に疲れたが、不思議とつまらなくはなかった。
 ヴィータは頷き、彼を見上げると、


「それは秘密だ」


 人差し指を口元にあてて、にこりと微笑んだ。
 コタロウは、その仕草がその人自身を神秘的(ミステリアス)にすると夫妻から聞いていたので、


「なるほど」


 と、それ以上は詮索はしなかった。
 2人が正面を向いた先では、ちょうどジャニカとロビンも歩いてくるところであり、その後、彼らは六課まで送り届けてもらった。






 六課の寮の近くまでくると、ロビンから、部屋にあるドレスは貴女のものだから、と断るヴィータに無理やり押し付けた。ここで、


「職権を乱用しようかしら?」


 というのは卑怯だとヴィータは思ったが、結局、押し負けてしまった。
 車を降りたあとは簡素なもので、会釈を()わすと、すぐに彼らは車を走らせた。
 そして、部屋に戻ろうかと振り向くと、何処に隠れていたのか、


「ん、はやて? なのは、フェイトまで」
『お、おかえり』
「ただいま」
「ただいま戻りました」


 はやてたちとスバルたちが見にきていた。
 なのはとフェイトは、シャリオから出かける直後の彼らを映像で見せてもらっていたので、息を止めるほど驚きはしなかったが、それでも実物を見ると目を見張るほど驚きはする。


「スバルたちは寝なくて明日大丈夫か?」
「あ、はい。大丈夫です」


 全員、ヴィータが表情一つ変えることなく、当然のように彼の右腕に自分の腕を絡めているのを見て、彼女からの質問以上に言葉をかけられなかった。はやてたちで
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