暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第2章 『ネコは三月を』
第26話 『指を口元に、片目を瞑り』
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バルたちと一緒に食事をすることにした。
 ヴィータは訝しむなか、


「そうです。騎士としての強さをもって主を守護し、女性としての強さをもって気高くあると。そうなりたいとは思いませんか?」


 どんな状況でも気高くあり、過信することなく迎え撃つ。騎士として、女性としての誇りを持った人になりたくはないかと、ロビンは問う。これは周りで聞いている女性陣にも問われているようにも聞こえた。


「どんなクラスのホテルに食事に誘われた時にも、動揺することなく悠然と立ち振る舞う自分を見たくはありませんか? もちろん、誘いを断るしなやかな自分でも構いませんが」


 真綿で締めながらも、冷やかすようなふざけた表情は一切ロビンには見られない。
 ヴィータを1人の女性として、対等に話を進める。


「恥ずかしさは一時です。しかし、自分の為になるなら、1つの(かて)として経験してみても構わないのではありませんか?」


 追い詰められているのは分かっているが、それは逃げ場を与えないのではなく、自分の思考の結果をきちんと聞くためというのことが把握できると、


「じゃ、じゃあ、1回だけ」


 と、もじもじしながらヴィータは答えた。
 感情を表に出したリイン、シャマル関係なく、女性たちは少し羨ましいとヴィータとロビンを見比べた。






△▽△▽△▽△▽△▽






 やはりともいうべきか、ジャニカとロビンの2人自らが作りだした空気は、自分で入れ替えていったため、午後の練習に差し支えることはなかった。練習開始さえしっかりできていれば、練習密度のおかげか、強制的に今夜のことを考えずに済むのだ。ただ、身体を動かさない人間たちは分からないが。
 時々、ヴィータがスバルに対し練習を激しくしたことがあったが、それは思い出した瞬間ではなく、振り払った瞬間である。
 そして、夜の(とばり)が降りはじめたころ、午後の訓練が終わった。
 座りながらクールダウンをするスバルとなのはたちは、ヴィータが一定距離を行ったり来たりしているのを見ながら、自分でもああなるだろう、しかし羨ましくもあると、どっちつかずの想いを張り巡らせる。


「待ってればいいんだっけ?」
「ん、お、おう」


 予定は変わることなく夜は自由待機(オフシフト)になる。
 ロビンから言われたことは、シャワーを浴びた後、寮の入り口で待機することだ。
 ヴィータは入局当初の緊張とは全く違う緊張感で若干脚が震えていた。
 そして、訓練場から寮へ向かい、言われたことを済ませ寮の外に出ると、


「こんばんは、ヴィータ三と、いえ、ヴィータさん」
「ども、です」


 少し離れたところに黒のセダンが停車し、
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