暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第2章 『ネコは三月を』
第26話 『指を口元に、片目を瞑り』
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女から見てコタロウの右側にモニターが2つ開き、彼女を覗き込んでいる彼らがいた。
「ト、トラガホルン二等陸佐!」
「おっと、過保護だと思ってもらっては困るぞ?」
「もともと今夜のことについて昼食時に話す予定で、丁度今回線を繋いだところなのですから」
敬礼はしなくて結構、と周りに聞こえる声で響かせる。
その後、ジャニカは不敵に笑い、ロビンは頬に手を当てて、
『何とも、私たち (貴女) にとって都合の良い (悪い) 展開で申し訳ないが』
ひとまずヴィータに発言権を与えてみた。
冷静に考えれば主張できたかもしれない黙秘権という言葉は、彼女の頭の中に出てきてはくれなかった。
食堂が夫妻によって法廷にされ、外堀を埋め、感情を揺さぶり、徐々に真綿で首を絞めるようなやり方で追い詰められていく1人の人間を見たとき、自分たちが完全に傍聴席にまわり、手も足も出ない事を知った。おそらく、口を挟めば自由に発言を与えられるであろうが、後ろ向きに崖を歩く人間が増えるだけで、なにも好転はしないという結果は目に見えていた。
新人が替わろうとすれば、
「まさか、『
庇
(
かば
)
う』という一種の親切心からでたものではないだろうね?」
と、ティアナでも口を
噤
(
つぐ
)
む状況に追いやられ、
「リイン曹長、シャマル主任医務官が替わっても構いませんが、予定を余暇の為に曲げるというのは、はたして適切でしょうか?」
と、声を荒げることなく2人を沈黙させた。
もし、十分な知識を持った人間が六課にいれば、もしくはヴィータが明確な断る理由を話せていれば、相手は納得させることができたかもしれないが、そもそもトラガホルン夫妻はヴィータが恥ずかしさからくる拒絶で断っていることを見破っていたので、引き下がる気はなかった。
「ヴィータ三等空尉、貴女もしや、自分が女性である自覚が無いのではありませんか?」
「あ、あたしは騎士だ! ……です」
「そうですね。そして――いえ、それ以前に女性でしょう?」
「だからって、そんなディナーなんて……」
「貴女、強くはなりたくないのですか?」
「つ、強さとホテルの食事なんて、関係ねェじゃない、ですか」
至極まっとうな答えであると、自分でも納得しながらヴィータは反抗する。
騎士は
主
(
あるじ
)
を守護する為に戦うものだ。これはヴォルケンリッター共通の意志でもある。
しかし、そんなことは歯牙にもかけず、
「貴女が『騎士としての強さ』を求めるだけに甘んじて、『女性としての強さ』を求めないのなら、そうなりますね」
「……女性としての強さ?」
ロビンは静かに頷く。ジャニカとコタロウは通信で離れていながらもス
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