暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第2章 『ネコは三月を』
第26話 『指を口元に、片目を瞑り』
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いに少し顔を引くが、
「オークションの鑑定及び、解説の報酬だそうです」
距離を
憚
(
はばか
)
らない彼女たちの声と違って、平然沈着に彼女たちに届く声で疑問に答える。
ホテル・アグスタで開催されたオークションは、ホテルの系列会社が行なっているものではなく、とある
競売会社
(
オークションハウス
)
が会場としてホテルのホールを借りて行なわれた。トラガホルン夫妻はその競売会社から依頼を受け、その報酬としてホテルの優先的なディナー招待券――ただし、事前予約必須――を頂いたのだという。これは時空管理局における賄賂罪として扱われる可能性があり、懲戒処分を受けることになり得る。だが、それは正規の手順を踏まない場合だ。もともと、夫婦は年に数回、外部での講義を行なっており、これに『私』として行動することを事前に管理局に申請している。且つ、これに対する報酬も管理局と依頼者間で合意が取れていれば、問題なく報酬を受けることができることになっている。この合意にはある程度の信用が必要であることは言うまでもない。
ユーノの場合も同様であったが、彼の人間性が表に出たのか、断っている。
『へぇ〜、なるほど〜……って、違います! 何でヴィータちゃんとなんですか!?』
コタロウが右後ろのポケットからハンドタオル――茶トラのネコがあしらわれている――を取り出し、リインに手渡すと、彼女はテーブルに着地して服の上から水分を取り始めた。そして、彼の説明に理解を示すも、聞きたいのはそれではないと眉根を寄せる。
「ヴィータ三等空尉がお時間がありそうでしたので、話の状況を伺う限り」
『た、確かに』
ここまで声を揃えるシャマルとリインは、また彼の答えに理解しつつも、何故か納得できずにいた。シャマルも確かに今日は、午後の訓練結果を元に、シャリオと協力して新人たちの体調を間接的に
診
(
み
)
なければならない。
うんうんと唸る2人を余所にヴィータはコタロウを睨み上げ、
「行かねェ」
と、すぐに手を振りながら視線をそらし、食事を再開しようとする。
「他のヤ――」
「ほう、誘いを断る理由くらいは聞かせてほしいね」
「命令ではないけれども、頭ごなしでないものがほしいわね」
聞き覚えのある声が先ほど視線をそらしたほうから聞こえてきた。彼の足元を見ても、他に足がないことから、今ここには居ない人物であることは間違いない。
割れた皿を片づける音が聞こえないことから、既にその片づけは終わったのだろう。状況としては、一応全員、ある程度の落ち着きを取り戻している。
ゆっくりとヴィータは視線を彼に戻すと、
「やぁ、モニター越しで申し訳ない」
「ホテル・アグスタ以来ね、ヴィータ三等空尉」
彼
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