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魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第2章 『ネコは三月を』
第26話 『指を口元に、片目を瞑り』
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わわっ」
「……」


 口に運ぶ手前で、料理を胸元にこぼしていた。




 そう、コタロウの行動に対する驚きは、()()ではなく、()()()なっただけだ。






魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第26話 『指を口元に、片目を瞑り』






「ご、ごめんな〜、シグナム」
「いえ、大丈夫です。それより……」


 はやてがシグナムを拭く中、シグナムは隣のテーブルの上に放心状態で座り込んでいるリインをみると、彼女は拭くどころの騒ぎでなく、最早(もはや)着替えなければならない濡れ具合であった。
 だが、


『…………』


 リインを含め、その状態にしたシャマルの視線はコタロウのほうを向いたままだ。
 他にも、割れた皿を片し、服を拭く人は彼の周りには数人いる。


「悪ィ、もう一回言ってくれ」
「それでは今夜、ディナーをご一緒しませんか?」


 一言一句変えることなく、もう一度繰り返す。
 ここが外なら間違いなく風が吹き、この空気を入れ替えているはずだ。


「……誰と?」
「私と」
「誰が?」
「ヴィータ三等空尉が」
「2人で?」
「トラガホルン夫妻と一緒です」


 ヴィータは視線をコタロウから離し、目を閉じる。
 一度、水を喉に通してから、


(待て待て……待て待て待て! 状況を整理しよう)


 頭を必死に回転させる。


(何処からこの雰囲気になった? 午前中の練習は至って普通だった。スバルの動きも良くなってきたし、攻防の戦略も整理しながら立てられるようになってきて……)


 内心頭を振り、それは違うと整理しなおす。


(うん……うん……そうだ、練習後は食堂にきて、はやてたちと会話)


 これは問題ないと少し顎を引く。


(皆、忙しくって、あたしだけ時間が空いていた。それが問題か? いや、違うな……)


 くるくるとネジが頭の左右に食い込んでいくような感覚で、最後の(ひと)回転を澄ませると、


(……そうか、コイツが『ディナー』なんてものに誘うからだ)


 何のことはない、コタロウが話しかけてきたことがそもそもの原因であることに気付いた。であれば「何であたしが……」と突き返してしまえばよい。
 ヴィータは軽く頷いて目を開き、彼を再び見据えて、


「……なん――」
『何でですかーー!?』


 見事にシャマルとリインがヴィータを遮り、代弁してくれた。
 リインは、もはや水を含んだことによる服の重みもなんのそので、コタロウの目と鼻の先まで飛び上がる。
 彼はその勢
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