暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第1章 『ネコの手も』
第23話 『想念、昊の如し』
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これだけは譲れないわ」
「…………」
(確かにそれは相手の
撹乱
(
かくらん
)
にはもってこいだけど、危険だよ。よっぽど近距離戦に慣れないと……)
作戦としては確かに魅力的である。だが、一歩間違えば他へのサポートはできなくなり、陣形も崩れる。近距離戦も一撃ですぐに中長へ距離をとらなければならず、体力も使う。
(大丈夫かな)
ここ数日で顕著に出たのはティアナの体力の少なさであった。もちろん、同期の中ではスバルには劣るものの、秀でるくらいの体力は兼ねている。それでも中距離戦からの近距離戦、またその逆の行為に消費する体力は尋常ではない。
「……成功率」
「え?」
「成功率6割行かないとダメ。これ以下の場合は次のなのはさんとの模擬戦では使わない。私もこれ以上は譲れない。自分も結構無茶してるけど、譲れないよ。パートナーとして」
次の模擬戦までティアナの体力は付いてきて、成功率は上がるだろう。それでもこれ以下の成功率はスバルは許さなかった。
「わ、かったわ」
「うん!」
ティアナは少し顔を歪めたが、6割という成功率でも許してくれたスバルに頷いた。
「上げてやるわよ、絶対に」
そうしてもう一度練習を再開しようと彼女はクロスミラージュを持ち、スバルに
空中路
(
ウィングロード
)
を出すように指示をする。
もう日の変わりが近づいてはきたが、あと何度かはできそうだ。
スバルは空中路を展開し、滑走しながら交互に敷かれた空中路をティアナが階段のように駆け上がってくるのを目で追う。
だが、残り2、3段というところで彼女は足が上がらなかったのだろうか、バランスを崩して前のめりに空中路から落ちる。
「――っかは!」
「ティア!」
クロスミラージュを持ちながら手からつき、
肘
(
ひじ
)
、肩と受け流していくが、完全にダメージを吸収はできなかった。ごろりと仰向けになって、大きく息をする。
「大丈夫!?」
「なん、とか、ね」
すぐにスバルは彼女を抱き、10メートルほど離れた場所にいるコタロウ――早朝はヴァイスが見学している――に助けを求める。
「すいません。私、ティアを運ぶんでデバイスを――」
「聞いて、なかった、の? なんとか、大丈夫だって」
「だってティア――」
「大丈夫だか、ら。それよりも水を、お願い。ちょっと眠気が、あったみたい。吹き飛ばしたいの」
「だったら、今日はもう――」
「いいから、お願い」
「わ、わかった」
ティアナの気迫に押され、頷いてしまったスバルはそっと彼女を横たわらせ、立ち上がるが、
「水があればよろしいのですか?」
スバルに呼ばれたのはいいが、会話に区
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