暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第1章 『ネコの手も』
第23話 『想念、昊の如し』
[2/11]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
《こ》げ、ずぶ()れで両手両脚の骨が折れていたことは話さなかった。


「その件についてね、心無い上司がちょっとひどいコメントをして、一時期問題になったの」
「……そのコメントって、なんて?」


 片眉を上げたヴィータになのはは一口飲み物を含んで口を潤わせた後、彼の上司の言葉をそのまま真似た。


「『任務を失敗するような役立たずは死んで当然だ。死んだら死んだで葬式に行かなきゃならんのが迷惑極まりないがな』」
「…………」
「ティアナはその時、まだ10歳。たった1人の肉親を亡くして、しかもその最後の仕事が無意味で役に立たなかったみたいなこと言われて、きっとものすごく傷ついて、悲しんで……」


 それ以上なのはが口を開かなくても、ヴィータは十分何を言いたいのかが分かった。






(そっか、『近いうちに』と言ってから6年()つけど、享年21歳ということは、ランスター一等空尉は殉職していたんだ。それにランスター二等陸士は彼の妹……)


 コタロウはあれから一向に連絡のない彼の現状を知る。






魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第23話 『想念、昊の如し』






 練習後、ティアナは熱めと(ぬる)めのシャワーを交互に浴びて、筋力の血行を促進させ、なるべく明日に疲労を残さないように努めた。
 そして、今日は朝4時に起きなければならないのにもかかわらず、0時過ぎに寝てしまったため、設定した目覚ましで起きることができなかった。


「ティア〜、起きて、朝だよ」


 スバルに揺さぶられて、ゆっくりと目を覚ます。


「……ん」
「起〜きてっ」
「お、きた。ありがとう」
「練習行けそう?」

(疲れは、それほど()まってないみたい)


 彼女の言葉に頷き、もそりとベッドから()い出てると、スバルからトレーニング服を受け取った。


「さて、じゃあ私も」

(ん、スバル、も?)


 着替えるために自分のスペースを確保しようと彼女から距離をとると、背後で服を脱ぐ音が聞こえ、振り向くとスバルも着替え始めていた。


「――って、何でアンタまで?」
「1人より2人のほうが色々な練習ができるしね。私も付き合う」


 ティアナはそれを聞いて、常人より体力のあるスバル――彼女は日常行動なら4、5日不眠でも問題ない体力の持ち主――でも自分の訓練を加算すれば、負荷がかかりすぎると思い、彼女の申し出を断るが、決めたことに対する彼女の態度も良く知っていた。
 それが今までのティアナをよく支えていた。


「私とティアはコンビなんだから。一緒に頑張るの!
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ