暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第1章 『ネコの手も』
第21話 『涕涙、霖の如し』
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一瞬じゃないか」
「うん。一瞬。それでココも紡解点」


 そのままシールドの薄いところも見せる。それは先程の部分ではなく別の部分で、周りと比べて言われなければ気付かないほど僅かに光が弱い。


「でも、これは周りより結合が弱いだけ。シールドの場合、他より2、3割劣るくらい」
「これを見破ったと? しかし――」
「そう。ガリューが戦った人の怪力も異常だけど、これを一瞬で見抜くほうが、はっきりいって異常」
「ましてや、戦闘の中ではなおのこと困難」


 こくりと彼女は頷く。


「管理局員なのか?」


 ゼストの言葉にルーテシアはアスクレピオスにいるガリューに話を聞き、首を傾げた。


「わからない。って」
「わからない?」
「多分そうだと思うんだけど、管理局員の制服なんて着ていなかったし、魔力も弱くてそうかどうかも怪しいって」

(僅かに魔力を有する、一般人程度)

「デバイスは所持していたのか?」


 ふるふると彼女は首を振った。


「ガリューが言うには……」


 次の言葉に、ゼストもその人が管理局員かどうか首を傾げた。


「左腕がなくて、左腰に傘を差していたって」






△▽△▽△▽△▽△▽






「失敗したのかい?」
「うん」


 相手は経緯を聞くと先ほどの2人と同じように首を傾げた。






△▽△▽△▽△▽△▽






 がらりと何かが崩れたような気がした。


「ティアナ、この馬鹿!」

(いや、違――)

「無茶やった上に、味方撃ってどォすんだ!」


 自分の撃った魔力弾のうち1つがスバルへ当たりそうになり、ヴィータがそれを寸でのところで打ち返してから、彼女の言葉なんてティアナの耳には届かなかった。


「あの、ヴィータ副隊長。今のも、その、コンビネーションのうちで」
巫山戯(フザケ)ろタコ! 直撃コースだよ今のは!」


 スバルの言葉も同様である。


(…………)


 頭が真っ白になり、一瞬、周りの状況も忘れた。


「ち、違うんです。今のは私がいけないんです。避け――」
「うるせェ馬鹿ども!」


 砕かれたガジェットから煙が立ち昇り、油の混じった焼け付くにおいに瞳が動く。


「……もういい」


 ヴィータの抑揚(よくよう)無い声から意識してティアナの耳に入ると、次に吐かれる言葉が分かりすぎるほど分かっていたのにもかかわらず、


「後はアタシがやる。2人まとめてすっこンでろ!」


 自分の身体から力が抜けていくのを止められなかった。






△▽
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