暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第1章 『ネコの手も』
第21話 『涕涙、霖の如し』
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後にガジェットが2機、自分に対して狙いを定めていた。
 跳躍することで、ガジェットが打ち出した弾をかわし、今度は彼女がその2機に狙いを定めて魔力弾を放つ。
 だが、


(打ち抜けない)


 当たりはしても、AMFを展開しているガジェット本体までには届かず、無力化されてしまった。
 ティアナは苦虫を噛んで顔を歪めた。


(――くっ)


 心境としては、相手にではなく自分の実力に腹立たしくなる。
 リズムは取り戻しても彼女にとっては一番いやなタイミングで、フォワード全員にシャマルから通信が入る。


「防衛ライン、もう少し持ちこたえててね」
「はい!」
「ヴィータ副隊長がすぐに戻ってくるから」


 ティアナには自分たち、いや自分だけでは何もできないといわれているようで、


「守ってばかりじゃ行き詰まります。ちゃんと全機落とします!」


 持ちこたえるという願いに近い命令に自分の意志を上乗せする。


「ティアナ、大丈夫?」


 本部のオペレータから無茶はするなと警告するが、彼女は自分の積み上げてきたものを、自分独自で積み上げてきたものを信じて疑わず、


「毎日朝晩、練習してきてんですから」


 それを自分に言い聞かせるように普段の言葉より口語調になる。


「エリオ、センターに下がって。アタシとスバルのツートップで行く!」
「あ、はい!」
「スバル、クロスシフト(エー)。行くわよ!」


 ティアナの指示にスバルが拳を握って応え、空中路(ウィングロード)で滑空していく。



(証明、するんだ)



 両拳銃にそれぞれ2発の装填(ロード)



(特別な才能や、凄い魔力が無くたって)



 魔方陣の光強さが足元を明るくさせ、周りを暗がりにする。



(一流の隊長たちの部隊でだって、どんな危険な戦いだって……)



 練成した魔力を弾として自分に周りにいくつも解放する。



「アタシは、ランスターの弾丸はちゃんと敵を撃ち抜けるんだって」



(証明、するんだ!)



 その間にスバルがガジェットを誘導し、自分に引き付けていた。
 狙いを定めようと意識を強めるが、なかなか照準が定まらず、腕に魔力が逃げ出し、ぴりりと電撃のように魔力光が(ほとばし)


「ティアナ4発装填なんて無茶だよ。それじゃティアナもクロスミラージュも――」
「撃てます」
<問題無く>


 ティアナは通信の再警告を遮り、クロスミラージュも(あるじ)に倣う。
 なんとか魔力を抑え込むことに成功し、照準を合わせ、


「クロスファイヤー――」


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