暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第1章 『ネコの手も』
第20話 『彷徨、鳳の如し』
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(『感情と表情の結びつけ』『近道をしなければ知ることはできる』か。表情からでも感情は分かると思うけどなぁ)
彼女の考えるはやての心理状況はおおよそ正しい。彼女は教導官という立場からか、2人の親友より多くの人と接し、人を理解する力があると少なからず自負していた。
現在舞台の上にいる1人の男性を除いて。
「オークション開始まで、あとどれくらい?」
<3時間27分です>
フェイトは会場の外を見て回っていた。
△▽△▽△▽△▽△▽
「――わかりました、それではすぐに戻ります」
「今、コタロウさんがどこにいるか分かりませんが、気をつけて戻ってきてください」
オークション開始のおよそ5分前くらいになった頃、ヴァイスから通信が入り、
「隊長たちが予測していた通り、アグスタを中心にガジェットが放射線状に攻めてきました」
と報告を受け、すぐに戻ってくるようにと言われたのだ。
「了解です」
通信を切った後で、すぐにコタロウは近くにいる会場設営の作業員に報告し――そこで初めて周りにいた作業員は彼が局員であることを知った――ここがどこなのかを聞く。
「どちらって、お前。『地下』だろうがよ」
「地下ということは分かります。申し訳ありません。連れてこられたという形なので道がよくわからないのです。どうすれば地上に出れるのでしょうか?」
コタロウはその人から道を聞くと、すこし早足でこの場を後にした。
「……あ」
教えた本人は彼が左に曲がったところで、自分が道を教え間違えたことに気付いた。
「ま、大丈夫だろ」
何かあれば戻ってくるだろうと軽い気持ちで、道具の片づけを再開した。
コタロウは彼の言葉が実は間違っていたのではないかと思ったのは、『急いでいます』と自分の前で先を遮る数人の警備員に局員証をみせて少し頑丈なシャッターを通してもらって、4、50メートル進んだときであった。
(うん。引き返そう)
次に会った人にもう一度道を聞こう決め、来た道を戻り始める。
そして、次の角を曲がろうとしたときに、ごそりと動く人影が自分の視界に入った。
(忙しそうだけど、僕も急いでいるし……)
迷惑を承知でトラックの後ろのドアを開けようとしている人に声をかけた。
「あの、お忙しいところ申し訳ありません」
「…………」
コタロウの声に反応して振り返る人は、
(大きい人だなぁ……全身黒
尽
(
づ
)
くめで、あれ? 目が4つ?)
見上げる人はコタロウが見上げるほど大きく、首元に
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