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魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第1章 『ネコの手も』
第20話 『彷徨、鳳の如し』
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のように身を(ひるがえ)し、すたんと思い切りしゃがんで着地した。


「…………」
「点検、調整終わりました」


 フェイトにぶつからないようにだろうか、彼女より身1つ分、後ろに着地している。
 倒れた傘を拾い上げ左腰に差し、作業用の帽子をかぶりなおす。


「……ふむ。その両手はもしかして、私を助けようと?」
「え、えと、あの……はい」


 小首を傾げるコタロウにいつまでそのままでいるのだろうかと自問し、すぐにフェイトは両手をひっこめた。


「ありがとうございます。ですが、この場合、私を助けないでください」
「え、何でですか?」


 まさかそのような受け答えが返ってくるとは思わず、首を傾げる。


「この作業着(つなぎ)には工具がたくさん入っているため、大変重いのです」


 ジジと胸元のファスナーを開けて裏地をみせると、大きさ様々な工具が入っていた。
 それでは失礼しました。と来た時と同じようにお辞儀、敬礼を済ますと、彼女に背を向けて部屋を後にした。
 ドアが閉じるところまで目で追ってから、ふと自分が謝らなかったことを思い出したのはとある小事の後であった。






△▽△▽△▽△▽△▽






「……ぁぅ」
「フェイトちゃん、どうかしたの?」
「へ? う、ううん。なんでもない」


 朝食時、料理をトレーに乗せて席に座るフェイトが眉根を寄せて少し(うめ)いたのに気づいてなのはが不思議がる。


「ほ、本当に何でもないの」
「そう? それならいいけど……」

(言えない)


 フェイトは昨晩、自分がやったことは決して話はすまいと言い聞かせていた。


(コタロウさんが退室したあと、近くにあった普通の傘で同じことをして、しりもちついたなんて、絶対いえない)


 どうやらこの小事は大事にはなり得なさそうである。






魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第20話 『彷徨、鳳の如し』






――「嗚呼、友がみなわれよりえらく見ゆる日よ」


 ティアナ・ランスターは、銭湯の湯船に入った時のアリサ・バニングスと月村すずかたちとの会話を思い出していた。


――「それってどういう意味なんですか?」
――「そのままの意味でとって構わないわよ?」
――「日本のね、昔の詩人が言った言葉なんだよ? 本当は『友がみなわれよりえらく見ゆる日よ、花を買い来て、妻としたしむ』っていうんだけどね」
――「しばらく会わないうちになのはたちも自分の道を歩み始めて、変わっていくなぁってね」

 遠目になのは達を見たときのアリサたちはそれだけ
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