暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第1章 『ネコの手も』
第18話 『今日という日この時だけは』
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外では
劈
(
つんざ
)
くような音が鳴っていても、2人はそれほど気にはならなかった。
理由は簡単で、
「パパとママはどれにのってるのかなぁ?」
「さぁ? どれだろうねぇ〜」
指折り数えて待っていた大切な人に会えるからである。
人の行き
交
(
か
)
う建物はそのほとんどがガラスのような透明な壁で囲まれており、音と風を弾き、人の声、歩く音、館内放送以外は聞こえないというのも、もちろん重要なことであるが、会えることの前には1つの要素でしかなかった。
「迷子にならないようにしっかり手を繋いでいるんだよ?」
「はーい!」
2人の年齢は離れすぎているのか、1人は左肩を下げ、相手の負担にならないように手を繋いでいる。いや、実のところ小指、あるいは人差し指を差し出すだけで、相手の手のひらには十分だった。
『
ご案内
(
アテンション
)
申し上げます
(
プリーズ
)
――』
館内放送が広いフロアに響き渡り、距離があるせいか、遠くから聞こえるものは山彦のように遅れて周りの人たちの耳に届く。
「ねぇねぇ」
「ん、なんだい?」
「
ごあんない
(
アテンション
)
もうしあげます
(
プリーズ
)
ってなぁに?」
「『よく聞いてください』って言う意味だよ」
どうして、わからないように言うの? と、上目遣いでさらに問いかけることがわかっていたので、さて、このコにどう教えればよいかと考え、上を向くが、すぐに腕をぐいぐい引っ張られた。
見るともう既に次の興味へ移ってしまったようだ。この年齢はなんにでも興味を示し、次から次へと右から左、前から後ろと瞳をきらきらさせながら、周りから情報を吸収している。
この幼すぎるコは、最近文字も覚え始め、新聞を読んでいる最中にも「これってなぁに?」と聞いてくる始末だ。
考えた相手は自分の住んでいる国の言葉に少しため息を吐くことがある。それは特定の文字を全て覚えてしまえば、意味はわからなくとも読めてしまうことだ。別の国であれば、1つの文字で多くの意味を持ち、この年齢でも読めない文字があるという。
しかし、それはこの手を繋いでいるコがしつこく聞いてくる場合に限る。このコに教えること自体は嫌いではないのだ。それを嫌ってしまっては、兄失格だろう。
嫌いでなくて良かったと思う。
「パパとママのひこーきがくるまでどれくらい?」
「ん〜、もう着いてるよ」
「ほんと!」
「うん。ほら、多分あれさ」
彼はしゃがんでウィンドウの外を指差し、1機の旅客機を見せる。その旅客機は速度を落としながら、緩やかに滑走路を走り、乗客用ドアが降り口と連結しようとしていた。
「じゃあ、はやく! はやくいこう!」
歩幅の差を駆け
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