暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第1章 『ネコの手も』
第18話 『今日という日この時だけは』
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中から兄がよく自分に使う言葉を取り出し、父親を褒める。
これで今度ティアナに会えるまでのつなぎにしておこうと、飛行機に持って行くリストに追加した。
「…………」
「なんだ、ティーダ。1枚1枚写真の右上にお前の顔を貼り付けてやろうか?」
「いや、子どもを可愛がる親っていうのは皆こうなのかと、すこし離れた視線でみてるのさ」
「お前は手の掛からない優秀な息子だったからなぁ」
「進行形にはしないんだ」
「今は
小憎
(
こにく
)
らしい優秀な息子だよ」
どうして、こんな手の掛からない子に育ってしまったのか? と息子を褒めているのかわからない言葉を吐き、やれやれと首を振る。
家族というのは1つの社会のようなもので、1つの定義では片付かないものだ。ランスター夫婦にとって、甘えてこないティーダは物足りないことこの上なかったらしい。
「甘えるときも、どこからしら大人っぽい」
「ん〜、褒めてる?」
「褒めてはいるが、裏があると思ったほうがいいな」
「それ、自分で言うんだ」
「ま、どちらも私たちの息子、娘にはかわりないさ。私が『親バカ』ということも自覚しているぞ?」
「う゛」
(父さんたちには
敵
(
かな
)
わないなぁ)
「まだまだ、敵うまい?」
「父さんたちは心が読めるの?」
何年お前を見てると思ってるんだ。と楽しそうに笑って、ティアナを撫でて写真をしまい立ち上がり、ぱしんとティーダの額を指で弾く。
「また、明日から頼むぞ」
「うん」
さぁ、ティアナ。今日はパパとお風呂に入ろう。といってティアナを抱え、まず写真をバッグに入れるために寝室へ向かった。
ティーダはぎしりとソファに深く腰を沈み込ませ、先程まで写真のあったテーブルから視線を正面にある棚に目を向けると、写真たてがあることに気付いた。
(……全く、いい親を持ったよ、僕とティアは)
玄関前で撮影した家族揃っての写真に、苦笑しながらふぅとため息をついた。
△▽△▽△▽△▽△▽
「じゃあ、無事にセレモニーは終わったんだね?」
足元ではティアナが「つぎ、ティア〜」とテレビ電話の交替をせがんでいる。
「あぁ、盛大だったぞ〜。まぁ。私たちは簡単に紹介されただけだがね」
これは建築士も含めてであるが、芸術的なものではない建造物の実質の製作者は目立つことがない。開店記念式典というのは製作者が作成物を見る最後の時である。もちろん、いつでも式典が催されるわけではないが。
「今日すぐに発つ予定だから、明日の朝にはそちらに着くよ。こっちの世界が時差が同じで助かった。おかしな時差ぼけも発生しない」
「ゆっくりしてきてもいいのに
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