暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第1章 『ネコの手も』
第18話 『今日という日この時だけは』
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ぞれ自営業(フリー)で活躍し、そのほとんどを同じ建物で互いの分野(はず)れることなく腕を振るっていた。
 ティーダは今年で17歳になり、時空管理局に勤めている。入隊年は普通の人よりも遅く、やっと最近3等空士から1つ階級の上がったばかりであるものの、階級と実力の(とも)わない才覚をすでに見せ始めていた。
 入局を遅らせた理由とは単純で1つは通信課程にて学業を専門にもっと深く修めたく――両親は『すねかじりのしようもない息子』と苦笑いながらも大賛成――2年間入局のための体力づくりと言語を中心とした各管理世界の政治・経済を学んだ。既にこの世にいない祖父の処世訓(しょせいくん)『学業とは何事にも得がたい見えない財産の1つ』を頑なに実行したのだ。
 その甲斐あってか、入局後の新人という期間で(ぬき)んでた実力を発揮し、2年というブランクをいとも簡単に凌駕することになる。
 もう1つの理由は両親の仕事とティアナの面倒を見なければならないところにあった。『家族とは何事にも得がたい見えない財産の1つ』という同じくこの世にいない祖母の処世訓も実行し、両親からは『私たちではなく祖父母から生まれたのではないか?』と揶揄(からか)われ、『それじゃあ、僕は父さんのお兄さん、それとも弟?』とティアナを抱き上げながら苦笑していた。
 ただ、執務官になるという自分の夢を諦めたことは一度も無い。ティアナが幼く、多忙を極める執務官職であるが、両親は『その時は自分たちが大人になるだけ』と大いに息子の夢に賛成した。自分たちのどちらかが領分を狭め、家庭に従事するだけで、そもそも今の状態がおかしいのだ。(むし)ろ息子に甘えすぎていると思いながら、仕事をしていることに感謝の念を感じずにはいられなかった。
 今はここから飛行機でおよそ10時間かかるある土地のとある大きな建物の装飾を依頼されているが、今回を最後にもっと身近で小さな範囲で仕事をしようと考えていた。
 建築士と協力しながら大改装をし、集客性を高め、地域に溶け込めるものいったかなり大掛かりなものの、何とかかたちになり後は開店記念式典(オープンセレモニー)を待つだけである。


「セレモニーはいつ?」


 夕食の後、ローラの隣で皿を洗うティーダが垂れた袖をもう一度捲り上げる。


「確か、来週ね」
「ティアの入学式の次の日だな。沢山、写真とってやるからな〜ティア」


 パパ、おヒゲがイタイ。とティアナは頬擦りをイヤイヤとして突き放そうとするが、特に嫌ってはいないようである。


「それよりもティーダ、お前はまさか、ティアの入学式に出ないつもりじゃあるまいな?」
「一応、僕も勤めている身なんだけど?」
「なんだ、『休め』という風には聞こえなかったか?」
「聞こえていたからこ
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