暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第1章 『ネコの手も』
第17話 『言えばいいのに』
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…はぁ」
「今考えると、コタロウさん。今日会ったときから左手1度もつかってなかったよね」
「迷子の子も左手つかんでぶらぶらしてただけだったわね」
「ご飯食べてるときもそうだったなぁ、そういえば」
「自転車止めたときも両手なんて使ってなかった」


 今日はじめて彼を知った人は口々に声を漏らす。
 出会った時の、あるいは出会ったときからの彼の意表さで腕の違和感に気がつかなかったのだ。
 全員人の良さが出てしまったのか、コタロウに近づこうとしてその空気に飲まれてしまったに近い。


「あー、もう、やめやめ! コタロウさんについて考えるのやめるわ。ったく、さっき考えないって決めたばっかりなのに」
「気にしないと決めても、コタロウさんの行動っておかしいから目に付いちゃうんだよね」
「すずかぁ、それじゃあ私たちがヘンにコタロウさんを意識してるみたいじゃない」
「ん〜、多分、私のなかじゃ、知り合い以上には意識してると思うけど……もちろん、アリサちゃんも」
「言うわね。まぁ、否定はしないわ」


 アリサはすずかを横目で流した後、足の付け根にきゅっと力を入れて一歩踏み出す。


「ほ〜らっ、そんなことより、今は久しぶりに再会したなのはたちとお風呂満喫するわよ?」
「うん!」
「さ、なのは……」


 瞬時に頭を切り替えられるアリサやすずかに感心していたなのはは自分の目とは合わせようとせず、上から下へと目を動かすアリサに首を傾げる。


「な、なに、アリサちゃん?」
「ん〜、いや。友人のスタイルのよさに、ちょっとね〜」
「え、なに、すずか」
「うん。肌、綺麗だなぁって」
『そ、そうかな』


 見られたり触られたりする中、自分たちは特に気を使っていないとは何故か言えなかった。
 一方エリオはその会話の間に、自分のおかれている状況に気がついた。コタロウの腕をわざとではないものの、引っこ抜いたために放心状態であったのだ。
 はたりと視界に入ってくるの人の中に同姓は自分と同じくらいか、自分より小さい少年しかいなかった。


「あ、エリオ、身体洗ってあげようか」


 すずかの腕から何とか抜け出したフェイトが後ろから両手で肩に触れる。


「い、いえいえいえ! じ、自分でできます!」
「……そう?」


 いくら首を振っても絶対に後ろを向くわけにはいかなかった。
 エリオは右腕と右足を同時に出しながら近くの洗い場に座り、決して周りのものを見ないように身体を洗い始める。その時、ふともやのかかる向こう側、出口とは反対側にある扉に目がいった。


(混浴露天エリア? にごり湯ですが、入る際はお気をつけださい?)


 その間にはやても追いつき、久しぶりの友人たち揃ってのお
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