暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第1章 『ネコの手も』
第17話 『言えばいいのに』
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(雷も鳴らんかったんで、気ぃつかへんかったわ)

[はやてちゃん、一雨きそう]
[せやなぁ]
[(あるじ)、ここは私たちが見てますので]
[はやては降られないところに]
[私たちはバリアジャケットなので濡れにくいですが、はやてちゃんは――]


 なら、私もセットアップするだけや。雨一つくらいで部隊長が避難するわけにはいかんよ。と返した矢先に、


[――はぅっ!]
[リイン、戻ってきてもええで?]
[だ、大丈夫です!]


 雷1つ、


[……あ]
[降ってきたな]


 ぽつりと雫1つ頬に当たる。


「コタロウさん」
「なんでしょうか、八神二等陸佐?」
「……一言いってくれるとありがたいなぁ」
「申し訳ありません」


 彼ははやての左隣について、驟雨(しゅうう)にぱさりと傘を開いていた。


「持ちましょうか? 画面操作ありますやろ?」
「いえ、構いません。後で編集すればよいことですから、手間は変わりません」


 そうか。と無理に代わることはしなかった。傘といってもデバイスであり、情報収集端末でもある。自分のものでないデバイスに簡単に触れても良いものかと思いとどまったのだ。


『…………』

(どないしよ)


 だがコタロウとは違い、画面を見ていても、はやては無言の空間に堪えられない。
 ふと彼を見てしまう。
 彼は画面から視線を動かさなかったので、横顔がよく見えた。


(睫長いなぁ、肌も綺麗や)


 ぷにりと彼の右頬を人差し指で押してみる。


「なんでしょうか、八神二等陸佐?」
「い、いや、なんでも」
「……そうですか」


 視線も彼女に向けなければ、特に振り払うということも彼はせず、画面から目を離さないでおり、はやても見習って視線を画面に戻した。
 画面の向こう側では始めは手探りなところがあったものの、徐々に弱点を見出し、封印対象を発見する。
 今日ここへきた派遣任務とはロストロギアの封印と回収。後報で明らかになったことだがレリックでもなければ危険性もなく、視認してみるとゼリー状のぽよぽよ跳ねるものであった。それは無数確認されたため本体を見つけていたのだ。


「うん。ええよ。何事も経験や」


 コタロウにも聞こえていた念話の内容だと、キャロが封印をやらせてくださいとリインに申し出たらしく、それを了承していた。


「ちょうど良く、雨もあがるみたいやね」


 程なくして雨は上がり、事態も収拾する。
 そして、全員でコテージに戻る最中に、ヴィータが隣にいるコタロウに向かって口を開く。


「お前、何で左袖(ひだりそで)だけ濡れてんだ?」
「濡れないように努
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