暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第1章 『ネコの手も』
第17話 『言えばいいのに』
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ウさんと……」
ちらりと後ろを見るエリオにキャロは思わず「え?」と声を漏らした。
「エリオ君は?」
「ぼ、僕はほら、い、一応男の子だし」
確かに少年の言うとおりであるが、少女は看板の近くに書いてある説明書きを指差す。
「でもほら、あれ」
「注意書き? えーと、『女湯への男児入浴は11歳以下のお子様のみでお願いします』?」
ね? とキャロは頷き、
「エリオくん10歳!」
「い、あ」
「うん。せっかくだし、一緒に入ろうよ」
フェイトも2人の会話に参加するために、しゃがんでエリオを誘う。
「い、いいや! スバルさんとか隊長たちとかアリサさんたちもいますし!」
最後の防衛線を全員に聞こえるように引いてみたが、
「別に私は構わないけど?」
「ていうか、前から頭洗ってあげようか。とか言ってるじゃない」
「アタシ等もいいわよ。ねぇ、すずか?」
「うん!」
「いいんじゃない? 仲良く入れば」
「そうだよ、エリオと一緒にお風呂入るのは久しぶりだし、入りたいなぁ」
意外に線は低かった。
たまらずエリオはコタロウに助けを求め、
「コ、コタロウさん!」
思わず近くにあるほうの腕、左腕を引っ張った。
それは動揺のあまり結構な力が入り、ぐぎんと彼の腕から音が鳴る。
『…………』
アリサやすずかたち――今日コタロウと出会った人たち――は大きく目を見開くなか、エリオは手を持っていたため、ごとりと腕のつけ根が地面につく。
「え、あ、あの」
通りかかる人間も目を見張るが、コタロウは気にもせず腕を拾うと、するりとエリオの手から抜けた。
腕を左肩に落ちないようにかけると上目遣いで震える瞳の少年に彼は先程の会話から状況をある程度判断し、こういって男湯の
暖簾
(
のれん
)
をくぐっていった。
「お好きなほうを選べばよいのでは?」
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第17話 『言えばいいのに』
エリオは気付けば『女湯』の暖簾をくぐり、現在は腰にタオルを巻いて浴室の扉を開いていた。
「なのはちゃん」
「なに、すずかちゃん?」
「コタロウさんのあれ――」
「なんなのよ」
すずかの言葉を遮って、アリサが不満をあらわにする。
「えーと……」
「コタロウさんはうちの課に来たときもそうやったよ。2日目に腕がもぎ取れてん」
「うん。その日から日常は片腕なんだ」
自分たちも腕をなくした理由はよくは知らず、なくしたのは6年前であることを教えると、
「…
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