暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第1章 『ネコの手も』
第16話 『オウム返し』
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ます!」


 いつもの寝ぼけ目で彼はスバルに注意を促すと、彼女は今度は気をつけようと再び水を汲みにいった。
 コタロウはぱさぱさ残りの水滴を落として左腰に差し、何事もなかったように片付けを再開する。


「はやて、大丈夫だった?」
「…………」
「はやて?」


 フェイトは心配して声をかけるが、彼女は傘を差していた場所とぽかんと見上げていた。


「あ、ああ、な、なにフェイトちゃん?」
「大丈夫?」
「う、うん。大丈夫や」


 2人はそのままコタロウを見る。


「い、一応聞くんやけど、大丈夫か?」


 彼はその言葉に気付き2人のほうを向くと、


「――ひゃぃ!?」
「特に水はかかってない様なので大丈夫かと」


 はやてを上から下に観察した後、彼女の肩を掴んで後ろ向きにして同様に視線を動かした。


「…………」
「ちゃうわ!」


 彼女は振り向いて、おもむろに彼の左頬をつねる。


「私は自分の心配をしてるんやなくて、あんさんの心配をしてるんや、コタロウさん!」

 つねられた彼は2、3度瞬きをして、ごそりと胸ポケットからメモ帳を取り出し器用にぺらぺらめくり内容を確認した後、元に戻し、




 ふにっ。




「私は自分の心配をしているのではなく、貴女の心配をしています、八神二等陸佐」


 同じようにコタロウは右手ではやての左頬を優しくつねった。
 その後、はやてが羞恥のあまり、顔を真っ赤にして自分のデバイスに手をかけようとしたところを、ヴォルケンリッターに抑えられたことは余談とし、メモ帳には箇条書きでこう書かれていた。




『ジャニカによる感情を豊かにする助言(アドヴァイス)
 その121
 人がある程度のふれあい(タッチング)をしてきた場合、それは親密度が上がりかけている証拠。
 感情を豊かにするところはそういうところにある。
 上げる方法は冗談がその1つであるが、難しい。
 ジャンも良く使う冗談『オウム返し』があり、それは自分にも可能と彼は断定。
 下手をすれば怒られることもあるが、たとえそうなったとしても感情は豊かになるとのこと』






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