暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第1章 『ネコの手も』
第16話 『オウム返し』
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ことを除けは、彼の行動は一貫として間違ったことはしていない。
 だが、裏を返せばそれが彼の存在を判断できずにしている原因なのだ。
 自分たちのデバイスを直したときの速さと正確さ。
 ヴィータの言った通りに会話を全て暗記したこと。
 これはキャロだけに通じたものであったが、その応援の言葉。
 明らかにまずい料理を食べきる。
 これらは全て、普通ではない。
 普通ではない行動が普通ではない結果をもたらすのであれば納得はできるが、普通に行動しているはずなのに、不思議に思うこと、驚くことが彼の場合、普通でないくらい多いのだ。
 そしてなにより、ヴィータのように例外はあるが、基本、六課のメンバーは彼の行動によって起こる空気を不快だと思っていないこともその要因の1つといえる。


「『気にしないことやね』かぁ。うん! そのほうが気楽でいい気がする」
「はい。それに隊長たちや皆さん全員で訓練、任務の後もそうですけど、ああやって不思議に思ったり、驚いたりした後の雰囲気って、なんだかあったかくて(なご)んだりもして、家族みたいだなって思うんです」


 キャロの言うことはもっともだとスバル思う。ティアナは疑問に感じているようであるが、少なくとも自分はあの雰囲気が嫌ではなく、楽しさを覚えはじめていた。


「私が前にいた自然保護隊も隊員同士は仲良しでしたけど、六課のはそれともちょっと違ってて……」


 それはコタロウがいる、いないに関わらずのキャロの正直な感想である。


「ネコさんは別として、隊長たちが仲良いし、シャーリーさんとかリイン曹長とかも気さくな感じだしね」
「そうですね。アルトさんとかルキノさんとか、皆さん優しいです」


 スバルとエリオは六課全体をみて、関わっている人たちが皆、明るく優しい人たちであることを再確認し、


「もちろん、スバルさんとティアさんも!」


 キャロはそこに2人も加えた。
 スバルとティアナはキャロの偽りない本音に顔を見合わせて数回(まばた)きすると、気恥ずかしく彼女を見て『ありがとう』と答え、彼女も「はい!」と頷いた。


「……あ、ジュース、これですね」


 気付けば水辺まで着ていて、目を落とすとアリサたちの言ったとおり、ジュースが冷やされていた。
 湖の水はとても冷たく、手を入れると思わず声を漏らしてしまうくらいである。


「ちょっと、落っこちたりしないでよ? 水辺は滑りやすいから」
「大丈夫です」


 ティアナは注意するように言い聞かせ、キャロは返事するも、少し油断があったのだろう。


「――きゃあっ!」
「キャロ、危ない!」


 彼女は足を滑らせた。
 エリオはすかさずキャロに手を伸ばして落ちな
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