暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第1章 『ネコの手も』
第15話 『このような理由』
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「コタロウさんは、な、なんでならないのですか?」
「……ふむ」
なんとか言葉をつむぐと、コタロウは考え込み、
「私は料理を作ることができません。いえ、できないというより私が料理をするとなると、実験のようなものになります」
視線をシャマルからはずして食べ終わった皿に落とす。
「料理というのは楽しくするものだと、本で読んだ事があります。先程、シャマル主任医務官とすれ違ったとき微笑んでいましたので、楽しく料理をしたと判断していました」
「…………」
「そして、それが私の為であったのであれば、まずいという要素が食べない理由にはなりえません。もちろん、日常生活に支障の出るようなものでしたら困り、断ることもありますが、これくらいであれば問題ありません」
そこでぱくりと自分がよそってきた料理に手を出す。
「んく。それに私は料理のできる人間を素晴らしく思い、尊敬しています」
またシャマルを見て、次にはやてを見ると、もう一度シャマルに視線を戻す。
「このような理由でよろしいでしょうか、シャマル主任医務官?」
「…………」
彼女がこちらを見つめているのは分かったが、どうも焦点があっていないので身を乗り出す。
「シャマル主任医務官?」
「……ふわっ! は、はい」
「私の理由、どこか変でしょうか?」
「い、いいえ、そんなことは」
「そう、ですか」
席に着いたコタロウはシャマルの料理でかなりおなかが膨れ、これが最後かなと自分が盛ってきた料理――彼は常にすこし少なめに料理を盛る――を食べる前に、彼は自分の言葉が途中であったことを思い出した。
「シャマル主任医務官」
「……はい」
「ごちそうさまでした」
「――うぅ!?」
『…………』
彼はその後、普通に食事を再開したが、シャマルの申し訳なさと嬉しさのどっちつかずで紅くなっている表情には気付かなかったし、周囲の空気にも気付かなければ、リインのふくれっつらにも気付かず、なおかつ、はやての頬も薄ほんのりと染まっているのにも気付かなかった。
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