暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第1章 『ネコの手も』
第14話 『かぎしっぽ』
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コタロウは自分のほうからしゃべりかける人間ではないことを自覚していたし、自分が相手の感情を読み取ることが苦手であることも自覚していた。
彼が少年ケンタに話しかけたのは泣いていたところから困っていることが明らかで、きょろきょろと辺りを見回してところから何かを探していたのも明らかであったためだ。
そこから瞬時に迷子と予想をつけたのは、とある2人の親友のおかげであることは彼自身疑う余地が無かった。
しかし、自分を今見下ろしている2人の女性に対しては、たとえ一方が
威嚇
(
いかく
)
をあらわにした表情であっても、たとえ警戒をあらわにした表情であっても、それを予想することは出来なかったし、
(……誰?)
という疑問のほうが彼の思考の大部分を占めていた。
「アンタ、なにしてんの?」
黙っていると、金髪の女性がもう一度同じ言葉を繰り返した。
(え、えーと。僕は2人のことを知らないし……あ)
彼は女性たちからケンタへ視線を移す。
「南さんのお知り合いの方ですか?」
だったら安心だ。と、思いながら聞いてみたが、
「ううん。知らない人」
彼は一度アリサとすずかの顔を見比べた後、ふるふると首を振る。
(……ということは)
「ふむ」
コタロウは少し視線を落として考え、結論付ける。
「失礼ですが、人違いではありませんか?」
『…………』
2人の女性は黙り込み、金髪の女性の片眉がぴくりとつりあがるのを彼は確認したが、特に気にはしなかった。
少年に視線を戻し、
「あの、南さんの――」
「アタシはアンタに聞いてるのよ」
保護者、例えばお母さんやお父さんはどこに? と、聞こうとするが遮られ、さらに女性の発言が自分に向けられていることを知った。
「……私に、ですか?」
もう一度、見上げると金髪の女性は大きく、
濡烏
(
ぬれからす
)
の女性は小さく頷く。
(僕が何をしているか? 進行形という意味で捉えていいのかな。南さんには質問できていないし、お菓子のことは過去形。それなら……)
彼は視線を落として、自分の足元を見た後、
「しゃがんでいます」
『…………』
濡烏の女性は自分の頬をぽりぽり掻いている間、金髪の女性は目を
瞑
(
つむ
)
って組んでいた腕を解いて隣の女性の方を向き、一方の手で彼女の肩にポンと、もう一方の手でコタロウを指差してから目を開き、
「すずか、コイツ、投げてよし」
「えぇ!?」
すずかという女性は驚く。
一方、コタロウは
(いろんな現場の出向先で力を振るわれたことあるけど
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