暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第1章 『ネコの手も』
第14話 『かぎしっぽ』
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「私は高町桃子」
「私は高町美由希」


 それぞれ「よろしく」という言葉をつけて簡単な自己紹介を済ませた。


「ご存知でしょうが、私も紹介させていただきます。コタロウ・カギネと申します」


 彼が丁寧にお辞儀したときに士郎と桃子だけ、コタロウの左腕が右腕と違いだらりとしていることに気付いたが、何も言おうとはしなかった。
 それよりも桃子はふとあごに指を当てた後、ふふっと微笑み、


「ネコさんとお呼びしてもいいかしら?」
『…………』


 これにはコタロウも寝ぼけ目を少し大きく開き、彼のあだ名がネコであることを知っている人たちもきょとんとする。


「お母さん、なんでコタロウさんのあだ名が分かったの?」
「あら、なのはやリインちゃんなら、すぐに気付いてもいい気がするけど?」
『……え?』


 2人は考え込むが、ふいにリインがなのは、スバル、コタロウへと視線を動かした後、
「あ」と、声をあげる。


「確かに、ネコさんですぅ」
「リイン?」


 なるほど、ジャニカ二佐がにやりと秘密にするわけですぅ。と、うんうんと頷く。


[リイン曹長、今、私のこと見てたよねぇ]
[そうね]


 ふむ。と、なのはと一緒にスバルとティアナも考える。


『(リイン(曹長)は私 (なのはさん)をみてからスバル(私)をみた)』


 なのははスバルをみて、スバルとティアナはなのはを見る。


『(私 (なのはさん)の名前は高町なのは。スバル(私)の名前はスバル・ナカジマ)』


 3人はじっとコタロウを見る。


『(そしてコタロウさんは、コタロウ・カギネ)』


 次に目を閉じて、あごを引く。


『(こっち(地球の日本)では苗字が先に来るから、カギネ・コタロウ)』


 今は自分たち意外に客はおらず口を開く人間も少ないため、翠屋で流れるラジオが良く聞こえた。


――「さて、それでは次の曲紹介行きましょうか。……あ、このはがき可愛い挿絵つきですよ?」
――「どれどれ? あ、本当だねぇ、可愛い『かぎしっぽ』のネコさんだ」
――「はい。本当に可愛いネコちゃんです。あ、話が逸れてしまいましたね、すいません。それでは、ラジオネーム『かぎしっぽ』さんからのリクエストで――」


『(かぎしっぽのネコ?)』


 疑問符が1つ、普段のリインみたいにふよりと浮かんだ後、 


『あ!!』


 ばっとコタロウに注意がそそぐ。


『カギネコ・タロウ! ……さん』


 もうちょっとで完全に呼び捨てしそうになったが、なんとかそれは防ぎ、


「えーと、はい」


 六課に配属になって初めて
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