暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第1章 『ネコの手も』
第14話 『かぎしっぽ』
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ないで、オーヴンが故障しちゃったんだもの仕方ないよ」


 彼女の表情の原因はまさにそれで、この喫茶店『翠屋(みどりや)』の洋菓子の仕上げを行うオーヴンが壊れてしまったらしいのだ。
 突然熱を発しなくなり、すぐに修理の連絡をしたが、来るのは朝一番に来るというものだった。


「フェイトちゃんと待ち合わせ中なんだけど、いても大丈夫かな?」
「もちろん」
「コーヒーと紅茶だけは作っておいたから持っていくといい」
「お父さん、ありがとう」
「ささ、君たちもお茶を飲んでゆっくりしていきなさい」


 お茶うけはクッキーしかないんだ。と、なのはの父親は申し訳なさそうにいう。


「んもう、大丈夫だって、私たちは本当についでだったんだから。お父さんそんなに気を落とさないで」


 なのははそんなことは気にしなくてよいというように、落ち着かせる。


「そうよ、お父さん。定期的に検査してしても、起こるときは起こるんだから」


 ねぇ、お母さん。となのはの姉美由希(みゆき)は明るくなだめると、母桃子(ももこ)も頷く。
 そうして何とか気を取り戻した父士郎(しろう)は湯を沸かすためにカウンターに入っていった。


「えーと……」


 桃子は小首を傾げ、それがスバルとティアナに向けられていると気付き、


「えと、スバル・ナカジマです」
「ティアナ・ランスターです」
「スバルちゃんに、ティアナちゃんね」
「2人ともコーヒーとか紅茶とかいけるかい?」


 2人はどちらも大丈夫と頷いた。


「リインちゃんはアーモンドココアよね?」
「はいです〜」
「じゃあ、2人には元気の出るミルクティね?」
「はい!」
「ありがとうございます」




 その後、全員が翠屋の出す紅茶やコーヒーに感銘を受けた後に、


「しかし、2人とも。ウチのなのはは先生としてどうだい? お父さん、向こうの仕事のことはどうもよく分からなくてなぁ」


 士郎が傍目から見て彼女はどうかと本人を前にして質問した。


「あ、その、すごくいい先生で――」
「局でも有名で若いコたちの憧れの的です」
『へぇ〜』


 聞いているのは士郎だけではないらしく、桃子と美由希は感心する。


「むぅ」


 そして、それがなのはの頬をぷくりと膨らませた。
 なのはと家族のやり取りを見て、いつもの訓練のときとは違い、私たちと同じような1人の女の人に見えたことには驚いたが、スバルはふぅとため息をついた。


[でも、ちょっと残念かなぁ]
[なにが?]
[だって、紅茶でこんなに美味しいんだよ? ケーキだって絶対美味しいよぉ]
[アンタそれ、ちょっと残念どころじゃ
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