暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第1章 『ネコの手も』
第14話 『かぎしっぽ』
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そうなので、すこし内容を変えて質問をしてみる。


「はい。ですが、もし5階へ行く前に見つかれば、そのほうが良いと思います」
『…………』


 アリサとすずかは依然としてこの男性の雰囲気を掴めずにいた。
 極論から言ってしまえば、彼女たちには付き合う男性以前に、男性の知り合いが明らかに少ない。
 しかし、口を聞いた男性は少なくなく、(むし)ろ多いが、その男性のどれにも彼は当てはまらないのだ。
 自分より年下なのは見た目から判断できたが、はたして中学生、あるいは高校生がつなぎなんてきるだろうか? と思ってしまう。
 まだ、知り合って――実際には本名は知らない――10分と経っていないため当然であれば当然であるが、大体二言三言会話をすれば雰囲気は掴めるものだ。
 だが、


『(キィ(君)ってヘン)』


 ということぐらいしか掴めない。
 付け加えるなら危険性も無いということぐらいである。


「どうやら、いらっしゃらないみたいですね」


 そういって2人の方へ戻ってくるキィの表情からは寝ぼけ目のせいか感情も読み取りづらく、何を考えているかも分からない。
 そして彼はエスカレータに乗ったところで、自分を見ていることに気付いたらしく、


「乗らないのですか?」


 と首を傾げる。
 その掴みどころの無さがアリサをジト目にし、すずかの瞬きの数を増やした





△▽△▽△▽△▽△▽






「本当に、ご迷惑おかけしました」
「いえ、見つかって何よりです」
「ケンタ君、お母さん見つかってよかったわね」
「うん!」


 程なくして、というより、4階でキィが同様に声を張り上げたとき、5階のエスカレータ降り口からケンタを呼ぶ声が聞こえ、母親を見つけることが出来た。
 少年の母親は迷子センターに伝えたあと、自力で探しに行こうとしていたらしい。


「ほら、ケンタ。お兄さんとお姉さんにお礼を言って」


 ケンタはぺこりと礼儀正しく「ありがとうございます」とお辞儀をする。


「御礼も何も出来ずに申し訳ありません」


 分かれる際に、お母さんは何度のお辞儀をし、ケンタはぶんぶんと手を振っていた。
 キィがそっと左腕を撫でたことに2人は気付くことはなく、


「それでは私はこれで」


 彼はぺこりとお辞儀をして、次階へのエレベータへ向かう。


「時間、余ってるわね。7階でお茶でも飲む?」
「そうしよっか」
「……あ、キィもどう?」


 それが自分の社交性からなのか、単なる興味からなのかわからないが、気付いたときには声が出ていた。


「お断りします」


 だが、申し訳なさそうな顔も
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