暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第1章 『ネコの手も』
第14話 『かぎしっぽ』
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「南さんの保護者、例えばお母さんやお父さんはどこに?」
「お母さん、いなくなっちゃった」
またぐすりとぐずつく。
「ふむ。『いなくなっちゃった』ですか」
5階だってさ。と、アリサは戻ってきた。
「なにしてんの?」
「え、迷子かどうか確かめてる?」
すずかは彼の行動を疑問符つきで答え、アリサは
訝
(
いぶか
)
しむ。
「別にそんなの――」
「ということは、お母さんが迷子なのですか?」
『…………』
アリサとすずかはぱちくりと数回
瞬
(
まばた
)
きをすると、キィは立ち上がり、
「南さんのお母さんが迷子だそうです」
少年の頷きのもと、彼はそう答えた。
「……はぁ」
「ま、まぁ、どちらでも連れて行くことは変わらないからいいんじゃない?」
心情としては探してあげたいが、それよりも5階にある迷子センターへ連れて行くことを優先させる。
「じゃあ、それは私たちがやるわ。アンタはここまで」
「わかりました」
キィが特に執着無く答えたことにアリサはすこし肩透かしを覚え、さらに自分が彼に対し偏見を持っていたことにもすこし後ろめたさを感じていた。
「……悪かったわね、疑ったりして」
「いえ、構いません」
すずかもぺこりと頭を下げた後、
「じゃあ、行きましょうか、ケンタ君?」
少年の手を引こうとするが、彼は立ち去ろうとするキィを追いかけつなぎを掴み、
「ん?」
「知らない人にはついて行っちゃダメってお母さんが言ってた」
『う……』
自分を心配してくれる人がいるためか幾分か元気になったケンタの言うことはもっともである。
「私はアリサ、アリサ・バニングス」
「私は月村すずか」
先程、彼女たちの親友の教え子とあわせて2度目の自己紹介をすると、
「僕はケンタ、南ケンタ。で、きーちゃん」
少年の紹介に、キィはこくりと頷いた。
ケンタがキィの左腕を話さなかったこともあり、アリサとすずかは一緒に5階の迷子センターに向かい、エスカレータを使って3階へ上がったとき、キィはそのまま4階へ上がろうとせず、フロアをある程度見渡せる位置に立って、
「南ケンタさんのお母さんはいらっしゃいませんかーーー!」
大きな声で彼は呼びかけた。
これには少年と本人以外、びっくりしてキィのほうを向く。
そして、しばらく彼はぼんやりとそこに立っていた。
「アンタ、なにや、ちがうわね、ケンタ君を連れて行くんじゃないの?」
なにやってんの? などと聞くと「立っています」なんて答えが返ってき
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