暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第1章 『ネコの手も』
第13話 『バンソウコウとキィ』
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「あ、う。し、知らない人から食べ物貰っちゃダメってお母さんに言われた」
誘いを断る。
「……なるほど」
(しっかりしてるなぁ)
彼は感心した後、マシュマロを持ったまま右手を自分の胸において、
「私の名前はカギネと申します」
「カギ、ネ?」
こくりと彼は頷き、ベルトに繋がれている鎖から宿舎自室の鍵を取り出し、少年の目の前に出す。
「えーと。
鍵
(
カギ
)
、キィのことですね」
「きー?」
もう一度、彼は頷く。
「きー、ちゃん?」
眉を寄せるが頷き、
「貴方のお名前は?」
「僕はケンタ、
南
(
みなみ
)
ケンタ」
「南さんですね?」
今度は向こうが「うん」と頷く。
「それではもうお互い知り合いですね? マシュマロ、食べますか?」
もう一度、少年は頷き、マシュマロを受け取った。
「あの、君の――」
「アンタ、なにしてんの?」
相手がぱくりとマシュマロを口に含んだとき、自分に影が差したので見上げると、1人は金髪ショートカットで腕を組んで仁王立ちをし、1人は
濡烏
(
ぬれからす
)
ロングで両手を胸元で握る女性がこちらを見下ろしていた。
△▽△▽△▽△▽△▽
「これくらい買えば大丈夫でしょ」
「そうだね、アリサちゃん」
アリサはしげりと相手がトランクに入れた買い物袋の数々を見て、
「しっかし、すずかは相変わらず運動神経抜群というか……」
彼女1人が運んできた買い物袋の数にちいさく息をつく。
「えへへ」
まぁ、これくらいは。と、こちらも息をついた。
「でも、どうする? 一応、ドライアイスも付けてるから問題ないけど、時間が余ったわね」
「はやてちゃんは後1時間くらいかかりそうって言ってたし」
うーん。と口に指を当てて考え込む。
「……あ」
「ん、どうしたの?」
「コップとか、大丈夫?」
あぁ。と頷く。
「確かに人数多いし外でやるんだから、皿も足りないわねぇ」
アリサは夕食のバーベキューをやるために、材料は充分そろえたが、肝心の飲み物を注ぐコップや料理を盛る皿がないことに気がついた。
「行こっか」
すずかは「うん」と頷き、先を行くアリサの隣に並んで、自分の親友の教え子たちの第一印象からどのような人物かを話しながらもう一度デパートへ入っていった。
そして2階へ上がり、一度大きく店内を見回して時間を少し潰した後、必要なもののレジを済ませ、下りのエスカレータへ向かおうとした時、
「うわァん」
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