暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第1章 『ネコの手も』
第13話 『バンソウコウとキィ』
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じっとバンソウコウとにらめっこしているのを見て、声を掛けた。
「よろしいのですか?」
「……
貼
(
は
)
ったとしても、お礼には足りないくらいです。あの、本当に大丈夫ですか?」
これもまたそっと、そして相手が顔を歪ませないようにバンソウコウを貼って、いたわるように相手の顔を覗き込むと、
「大丈夫です」
自分でも確かめるように右手でおずおずと額を撫でて、問題ないことを確認した。
「え、と、後でちゃんと病院へ行って見てもらったほうがいいと思います」
彼女は自転車に乗り、なにかお礼するものは無いかと自分のポケットを探したりするが、散歩ということで特に何も持ち合わせておらず、申し訳ない気持ちも込めて心配そうにもう一度彼の額にそっと手を当て声を掛けると、相手はこくりと頷く。
「…………」
頷いた後、彼は何故か無言で前カゴにいるアルフをじっと見ていた。
(どうしたんだろう?)
「うちのアルフがどうかしました?」
そういうと、相手はまた眉根を寄せる。
「……そのアルフさん、ぶつかりそうになった時、しゃべってませんでした?」
エイミィは思わず彼の額に当てていたほうの手に力を入れてしまった。
△▽△▽△▽△▽△▽
コタロウはしばらく海鳴市の海辺や山などを中心に歩き、休暇を満喫した。
(ジャンとロビンの言ったとおり、本当に自然が楽しめる場所だなぁ。また、機会があったら来ようかな)
そんなことを思い、初めていく土地では迷うという自分の特性も楽しみの1つとし、人に道を聞きながら、地図を見ながら、時々額を
擦
(
さす
)
りながら午前と午後――昼食はミッドチルダで購入した簡易食料――を過ごす。
そして、現在は本日の最優先事項をクリアするためにとある8階建てのデパートに来ていた。
(よし、時間も20分前。充分間に合う時間だ)
ゆっくりエスカレータで行こうと2階に差し掛かったとき、
「うわァん」
きょろきょろと辺りを見回した後、大きな声で泣く少年がいた。
(迷子、かな?)
彼は近づいて声を掛けると、
「あの、どうしましたか?」
「う? ぐす、ぐすん、うわァあん」
さらに大きな声で泣き出してしまった。
「ふむ」
しかし、彼は慌てる様子は無く、今度はしゃがんで少年と同じ視線になり、
右腿
(
みぎもも
)
のポケットから袋で包まれているマシュマロを1つ取り出す。
「マシュマロ、食べますか?」
そうすると、少年は声を上げることは無くなり、目の前のお菓子をみて、
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