暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第1章 『ネコの手も』
第11話 『ひとくちサイズ』
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出しぺらぺらとめくりだした。






△▽△▽△▽△▽△▽






(あるじ)、主」
「んぅ〜」


 シグナムが何度目かはやての肩をさすった後、やっと彼女は声をもらした。


「このようなところで寝てしまっては風邪を引いてしまいます」
「ふぇ?」


 彼女はゆっくりを目を開けてからだを起こす。


「あれ、シグナム? どないしたん?」


 こしこしと(まぶた)(こす)り、口を押さえて小さくあくびをする。


「カギネ三等陸士が、主が私を呼んでいると」


 夜間練習を終えたところで彼に会いまして。とシグナムはリインの頬を指先でちょいちょい突付いて起こしながらここにいる理由を答える。


「私が? 呼んでへんけど?」
「そうですか? ですが、ここで寝てしまっては風邪を引いてしまいます」

(ここ? ここって……)


 ふと周りと見渡して、ここが自分のオフィスであることに気付き、自分がなんの最中であるかも気付いた。


「しもた! 書類――」


 向こうのデスクで小さなあくびと伸びをしながら起きるリインをよそに、急いで待機中であった画面を開きなおして中身を確認する。


「……あれ? 終わって、る」


 まだ途中であった書類が残っていたはずなのに、どの書類を見ても綺麗に仕上がっていた。


(せやけど、この書類は手をつけてへん、で。 ……シグナムなんて? カギネ三等陸士? なんであの人が?)


 はやてが覚醒し始めた思考をまわし始めると、


「あ〜〜〜!」


 リインが声を上げる。


「どないしたん、リイン?」


 そうすると、彼女は自分の手には大きすぎる物体を持ってシグナムとはやてに見せる。


「チョコですぅ」


 ひとくちサイズのチョコを彼女はうれしそうに抱えてるのを見て、ふと自分のデスクに目をやると、(はし)のほうにリインと同じチョコが1枚の紙の上にぽつんと置いてあった。


「わたしにもある」


 手にとってみたそのチョコは透明のビニールにキャンディのようにくるまれており、なにも変哲のない、市販のそれである。
 そして、同時にその下にあった1枚の紙を取り上げる。


(手紙? なになに……)



『八神二等陸佐、お疲れ様です。
 カギネ三等陸士です。
 空調設備の見回りをしていたところ、部隊長オフィスの空調機から若干の異音が聞こえていたので修理のため、入室しようと3回ブザーを鳴らしたのですが、反応がありませんでしたので、申し訳ありませんと思いながら入室した次第です。
 空調機の修理は滞りなく終了しました
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