暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第1章 『ネコの手も』
第11話 『ひとくちサイズ』
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ラーブーツとアンカーガンに目をやり、


「コタロウさんが修理したそれには、あなたたちの利き腕(足)や重心――これは新デバイスにも組み込まれている――のほかに、(くせ)も取り込まれているの」
『癖?』
「例えば、スバルは右利きで、右腕をよく使うでしょ」


 こくりと頷く。


「足は左足を前に出し、重心を右足に預ける」


 もういちど頷く。


「そのとき、重心を預けたときの右足のどこから重心をかけ始め、どこで安定する? そして、終わったとは右足のどこから力を入れ始め、左に重心を移動し始め、中央にもっていく?」
「……わかりません」


 スバルはそこで首を横に振った。


「うん。それは人間工学っていう分野で、デバイス設計上はずせない分野なんだけど、デバイス設計者はその情報から設計しているの」
「つまり、クロスミラージュたちは私たちの情報から設計されたものですが――」
「そう。身長、体重、利き腕、重心等、統計学に基づいた設計になってはいるけど、その人に特化した癖。つまり、個人内変動人間工学までは加味していないの」

<それが、私たちに組み込まれていないと?>
<であれば――>


 マッハキャリバーとクロスミラージュが話に割り込むが、


「これは余程、経験を重ねた人で、かつ専門分野にとらわれない裾野の広い人間でないと実現は不可能」


 あー。となのはは頷いた。


「癖を取り込むには特別なパーツは不要。ネジや接合部の締め加減等で可能なの」


 私では無理と首を横に振る。


「なのはさん。コタロウさんって何者なんですか?」




 なのはは先日得たコタロウについて説明した。
 新人たちは彼の持つ資格が多いことは知っていたが、実際の数値を聞いて全員目を見開いた。


『に、253!?』
「あの隊舎内放送『突然機器が修繕されたりすることがありますが、お気になさらず』ってコタロウさんのことなんですか?」


 なのはは話し始めてから終始苦笑いだ。


「これはシャーリーも知ってるけど、コタロウさんは特に指示が無いときは自由行動だし、あるときは近くにいる隊長陣、上司に指示を仰ぐことになってるの」
「じゃあ、コタロウさんっていないときは――」
「多分、どこかで修理や雑務をこなしてると思うよ」


 新人たちはうぅむと唸る。


<待ってください>


 マッハキャリバーが話しの内容を聞いて音声をはさむ。


<はっきり言って、私は彼のことなどどうでもよいのです>
<私はマスタースバルをより強く、より速く走らせるために作り出されました、それでは――>
<私たちはそれに劣ると言うのですか?>


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