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魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第1章 『ネコの手も』
第10話 『お好きなほう』 Dパート
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「フェイトさん」
「なに、キャロ?」
彼女キャロ・ル・ルシエは執務官フェイト・テスタロッサ・ハラオウンという女性に引き取られた後、生活が一変したことを自覚するのに、多少の時間を要した。
自分を調べる人間もいなければ、別の施設へ移るということもなく、時々であるが寝る前に本を読んでくれる人間が傍にいるのにも関わらずだ。
1冊の本を読み終えた後、フェイトが「もう1冊読もうか?」 と、聞く前にキャロが口を開いた。
「お兄さんってどういう人なんですか?」
彼女は、以前フェイトから自分には兄がいるということを聞いており、今読み終わった本――『うさぎの精霊』――の内容から思い出したようだ。
フェイトは目を細め、キャロの髪を
撫
(
な
)
でる。
「とっても、厳しい人かな?」
「……厳しい人、ですか?」
しかし、こくりと
頷
(
うなず
)
く彼女はイヤな顔をしている様には見えない。
「突き放したような言い方するし、にこりともしないし、怒るときはそれはもう……」
彼女は頭の中の彼を思い出しながら楽しそうに話していた。
「でもね……」
「……」
彼女の言葉で楽しそうなところは1つとしてなかったのに彼女が微笑んでいたのには次の言葉が存在するためだ。
「とても厳しいんだけど、それ以上に、ううん。その厳しさの中には優しさがあって、とっても頼りになる人なんだ、お兄ちゃんは」
(厳しさの中に優しさ?)
キャロはフェイトに引き取られてからしばらくの間、施設生活から来る怯えのため笑うことは無かったが、月日という時間がゆっくりと、そして確実に瞳の奥に光を取り戻させていた。
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第10話 『お好きなほう』 Dパート
4人は貨物車両の真上にヘリから飛び降りるかたちで着地し、下降している間にセットアップした自分の服装に
各々
(
おのおの
)
驚いていた。
自分が装着しているバリアジャケットのデザインにふと見覚えがあるように感じていると、
「デザインと性能は各分隊の隊長さんたちのを参考にしてるですよ? ちょっとクセはありますが、高性能です!」
リインは片目を閉じながら新人たちのちいさな先生を演じて、ジャケットの説明をする。
特に大きく感銘を受けているスバルにティアナは彼女を現実に引き戻す。
「スバル、感激は後!」
一見、はちまきにも見えるが、後頭部には大きな白いリボンをしているスバルは、ツーサイドアップで黒いリボンをしているティアナの言葉に反応すると、待っていたかのように、車両の屋
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