暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第1章 『ネコの手も』
第10話 『お好きなほう』 Dパート
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根が盛り上り、光線が飛び出してきた。
 後援をするのはティアナだ。
 光線を放った後に飛び出してきたガジェットを打ち抜くと青い髪と白いリボンを(なび)かせながらスバルは車両内に突入する。


「うおォりァァ!」


 着地点にいたガジェットに右拳を振るわせて打ち込むと見事に()ぜた。
 爆ぜた時の煙でも彼女の相手をする機体は(ひる)む事無く、自ら出す太い鉄線や光線で果敢(かかん)に彼女に襲い掛かる。


「リボルバーシュート!」


 しかし、怯む事無く果敢なのは彼女の同じで、新しいデバイスであるマッハキャリバーの力を惜しみなく使用して、車両内を縦横無尽に駆け巡り、一機々々確実に破壊していく。特に最後の一機は思い切り打ち抜き、


(よし! これで……ッ!?)


 屋根もろとも突き破って、車両の外へを自ら飛び出していった。


「ッと、と!」

(い、いつもよりずっと力がのる!)


 自分でもびっくりするくらいの威力で、そのまま車両から落ちてしまいそうになるが、

空中路(ウィングロード)


 足元から声が聞こえたかと思うと、いつも彼女が自分で出している空中路が構築され、彼女は身体が覚えているかのように滑走し、着地する。


「…………」


 着地したときはローラーとブーツの間のサスペンションがよく利き、スバルに衝撃を与えぬように図られていた。


「えと、マッハキャリバー。お前ってもしかして、かなり(すご)い? 加速とか、グリップコントロールとか、それに空中路(ウィングロード)まで……」


 彼女は自分が自分でないような動きを実現してくれている機体に驚いている。


<私はあなたをより強く、より速く走らせるために作り出されましたから>


 表情や態度としてあらわれることはないが、「当然です」と機体は言っているように彼女には聞こえた。


「うん。でも、マッハキャリバーはAI(エイアイ)――人工知能――とはいえ、ココロがあるんでしょう? だったら、ちょっと言い換えよう」

(これから長い間、一緒に付き合っていくんだから)

「お前はね、私と一緒に走るために、生まれてきたんだよ」

<……同じ意味に感じます>


 自分と共に自走できる相手を持つときの感覚を互いに共有することは難しく、


「ちがうんだよ、いろいろと」

(無理、かなぁ)


 自信はない。
 しかし、スバルにとっては、


<考えておきます>

「ん!」


 この言葉がこれから自分の愛機となるマッハキャリバーから出てきただけで、大満足であった。


(いつ、わかるかな?)



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