暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第1章 『ネコの手も』
第8話 『お好きなほう』 Bパート
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グです』」


 一瞬、何を言い出すのかと思ったが、すぐに全員の疑問符が感嘆符になる。


「『ちょうどこれから機能説明をしようかと』
 『まず、その機たちみんな、何段階に分けて出力リミッターをかけてるのね。一番最初の段階だと、そんなにびっくりする程のパワーが出るわけじゃないから。まずはそれで扱いを覚えていって――』
 すみません、説明上高町一等空尉、リインフォース・ツヴァイ空曹長の言葉も入れさせていただきます。
 『で、各自が今の出力を扱いきれるようになったら、私やフェイト隊長、リインやシャーリーの判断で解除していくから――』
 『ちょうど、一緒にレベルアップしていくような感じですね』」


『(……これ、さっきの会話だ)』


 コタロウの口から出てきたのは、先ほどの説明云々ではなく会話そのものを復唱し始めたのだ。それは特に本人に似せているわけではなく、言葉だけであるが。


「おい、おま――」
「『ほら。部隊ごとに保有できる魔導師ランクの総計規模って決まってるじゃない?』」

 彼の復唱は止まらない。


「前後関係上、またリインフォース空曹長の発言を入れさせていただきます。
 『1つの部隊でたくさんの優秀な魔導師を保有したい場合は、そこうまくおさまるよう、魔力の出力リミッターをかけるですよ?』
 『まぁ、裏技っちゃあ、裏技なんだけどねぇ』」
「やめ――」
「『新型も皆の訓練データを基準に調整してるから、いきなり使っても違和感は無いと思うんだけどね』」
「や、やめろォーーー!!」
「『遠隔調整もでき……はい」


 コタロウはヴィータに目線を合わせるため、復唱をとめるとあごをすこしひく。


「……あの、私どこか間違えていましたでしょうか?」


 突然止められたことを不思議に思い首を傾げる。


「あ、あの、そうではなくてですね。コタロウさん、さっきの会話覚えてるんですか?」


 すこし肩で呼吸をしているヴィータの代わりにリインが質問すると、


「はい。そのつもりでした。ヴィータ三等空尉が『しっかり聞いとけよ』と(おっしゃ)っていましたので」


 間違えていましたか。と、息をつく。


「えと、ヴィータちゃんがそう言ったから覚えたということですか?」


 こくりと頷く彼が、ヴィータの初めの発言を真似ないところをみると、どうやら彼女の発言は覚えておらず、本当に彼女が『言ってから』覚え始めたらしい。


「ヴィータ三等空尉」


 コタロウはふっと顔を上げてヴィータへ向き直り、


「よろしければ、どのあたりが間違えていたのか教えていただきたいのですが?」
「…………」


 聞かれた彼女は押し黙った。
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