暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第1章 『ネコの手も』
第7話 『お好きなほう』 Aパート
[3/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
トリガーを引くが、ぽすんと魔力を弾かない金属の軽快な音が鳴って出力した魔力弾が雲散した。


「――えぇ!?」


 すぐに打ち落としてくれると思っていたスバルは、いつまで経っても――実際は5秒も経ってない――相手の手助けがこないので、切迫して、


「ティア〜、援護〜」


 このままでは訓練がやり直しになってしまうとばかりに助けを求める。


「この肝心なときに」


 魔力が漏れてしまった原因など究明している場合ではないとばかりに、急いで使用済みの薬莢(やっきょう)を抜いて交換する。
 再度構えて彼女の援護のために魔力弾を射出した。


「来た!」


 スバルを追尾している魔力弾にティアナの放った魔力弾が追いつくと、魔力同士が干渉するのか追尾の精度が目に見えて落ち、彼女は大きく跳躍することによって回避することができた。


(すこし遅れたけど、フォローも、まぁ及第点かな)


 なのははティアナの放った魔力弾がゆっくりとこちらに進路を変えてくるのを見て、着弾地点を予測する。
 その間、キャロとエリオはスバルとティアナが作り出した彼女の隙を利用して、ティアナがいずれ出す合図にいつでも応えることができるように身構えた。


「我が請うは疾風の翼」


 キャロは眼を閉じて、魔力を手の甲にあるデバイスに集める。


「若き槍騎士に駆け抜ける力を!」
<加速度後援!>


 腕を右から左へ振りぬいて彼に支援魔法をかけると、受信した彼の槍型デバイスは彼女の魔力色である桃色を帯びて光を増し、同時に、地面に展開しているエリオの魔法陣も力強さが増して行くのがティアナの位置からでもよく分かった。
 槍の首から勢いよく魔力が噴射され、制御が困難なように見える。


「あの、かなり加速がついちゃうから、気をつけて!」
「大丈夫! スピードだけが取り柄だから」


 行くよ、ストラーダ! エリオの声に呼応するように、ぐんと魔力噴射の勢いが増す。 一方なのははティアナが放った魔力弾をしっかり注視しながら避けていた。


(疲労してくると目に見えて精度落ちるなぁ……!?)


 上空からフリードが彼女に向かって火球(ブラストフレア)を2発打ち出し、なのはは一瞬(ひる)むが


(一発に対するラグは少なくなったけど、まだ私を狙うことはできないかな?)


 数日前までは火球1つ放つのに時間を要していた彼の攻撃は、まだ彼女を狙うまでは到達しておらず、彼女に向かって攻撃をしているようで、かわすのは容易(たやす)かった。


(と、これで何とか追い込んだことになる、よね?)


 本当であれば『追い込まれた』という表現が正しいのであるが
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ