暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第1章 『ネコの手も』
第7話 『お好きなほう』 Aパート
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あるティアナは正面に注意を払いながら右後方に指示を出す。


「全員、絶対回避。2分以内で決めるわよ!」


 自らを奮い立たせるかのように大きく返事をすると、なのはの放った魔力弾が着弾した。
 全員が散開すると同時に粉塵が立ち上り、彼らにとっては煙幕に変わって僅かながら、相手をかく乱する。
 なのはが少し自分の視界を広げるために着弾地点から体1つ分距離をとると、背後に風を切り裂く音が聞こえた。
 振り向くと、スバルが使用する魔力で生成された空中路(ウィングロード)が彼女目掛けて()かれ、それを追うように彼女が右足を前、右肘を思い切り引きながら距離を詰めてくる。
 また、スバルを視界に入れると死角になる位置に、ティアナが魔力弾を放つタイミングを見計らっていた。


「アクセル」


 なのはは1人の位置を把握すると、それを視界から追い出し、合図と共にまだ残しておいだ魔力弾を2つ、1つはその死角に、もう1つは視界に入っている距離を詰めてくる少女に放つ。
 彼女たちに着弾するタイミングで姿が掻き消えた。


三次元影絵(シルエット)。やるね、ティアナ」
(残り少ない魔力を陽動に、ね)


 感心に浸る暇を空中路は許さない。


(上!)


 スバルは潜めていた姿を現し、拳を放つ構えで上空から滑空してきた。


「てェりァァ」


 彼女に対し正面を向くのに時間を割いたため、やむを得ず右掌(みぎてのひら)(かざ)し文字の刻まれた陣を張って受け止める。
 陣と拳が交わうと、互いの魔力がぶつかり合い、圧力がかかることによって陣は文字が見えなくなるほど光を増し、対象者を守護する。
 力が平衡するくらいに魔力を制御しているなのはは、彼女が自分に一心している隙を見逃さなかった。
 空中である一定の演算処理にて制御され、発動者(なのは)の指示を待機していた魔力弾は指示を受け、スバルに向かって加速する。
 それはちょうど彼女の左右から迫る形になり、気づいた彼女は重心を後ろにして相手との距離をとって、それを避ける。


「うん! いい反応」


 しかし、この距離のとり方は緊急回避ともいえるものであり、離れたとたんに自分の立身バランスを崩す。
 なんとか体勢を整えたスバルはなのはに背を向けて、振り向きもせず彼女から離れる。
 それは当然といえば当然だ。なにせ、先ほど避けた魔力弾が背後から追尾しているのだ。


[スバル! 馬鹿、危ないでしょ]
「ご、ごめん」
[待ってなさい。 今撃ち落とすから」


 彼女の念話に声を出して会話し、ティアナは形勢を立て直させるためにアンカーガン――銃口下部に魔力生成によるアンカー出力可能な銃――を構え狙いを定めて
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