Development
第二十話 拒絶
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んなさい? その様子だと……やらかしちゃった?」
「う〜、悪いのは僕なんだってわかってるんだけど……」
さすがに黙っていたことは悪いと思ったのかちょっと狼狽えている。それを見て僕も冷静になる……というかそのことで責めるのは筋違いだしただの八つ当たりだ。
ひとまず落ち着いた僕は楯無さんに何か心当たりがないか聞いてみる。
「そう、簪ちゃんがそんなことを……。いくら敏感になっているとはいえ確かに変ね。あなたとは今まで直接の接点はなかったわけでしょ?」
「そうだね、楯無さんの話でしか彼女のことは知らなかったし。簪さんはどうなのかな?」
「う〜ん、以前少し話した時にあなたの話題を出したことはあると思うわ。でも最近はあまり簪ちゃんと話せなかったから何とも言えないわね。それに最近は紫苑君が行方不明になって、それ関連にかかりきりだったから」
「う、ごめん」
別に僕を責める意図が皆無なのはわかりつつも、思わず謝ってしまう。
「だから謝らないで。でもそうなるとますますわからないわね」
確かに……僕が嫌われる理由はこれといって見当たらないように思える。
あとはなんだろう、生理的に受け付けないとか? うわ、何気にそれ凹む……。もし本当にそうだったらどうしよう、立ち直れないかも。
「……なんとなく何を考えているのかわかるんだけど、いくらなんでも簪ちゃんはよっぽどのことが無い限り他人にそこまで言わないわよ?」
僕の考えを悟ったらしい楯無さんが若干の怒りを滲ませながら釘を刺す。
「ご、ごめん。いきなりでちょっと衝撃が大きかったから変な風に考えがいっちゃってるかも」
はぁ、というか何で僕はこんなにショックを受けているんだろう? 人に嫌われたりするのには慣れていたはずなのに……。あ、でも明確に僕個人を嫌いと言われたのは初めてかも……。今までは僕のこと、というよりも紫音の弟という存在を嫌われていた感じだし。
そう考えると、僕のことを見てくれている分マシなのかなぁ。でも心当たりがなぁ……。
「もしかして、僕の正体がバレてるって可能性は?」
「あり得ないわね。学園の子たちですら気づいていないのに、会ったこともないあの子が知る由もないわ。可能性があるとしたら私からだけど、そんなヘマ私がすると思う?」
「だよねぇ……」
となるとお手上げだ。もうあとは本人に聞くしかない。でも、今のままじゃ取りつく島もないから少しずつ話せるようにしていくしかない、かな。幸い同室なんだから機会はいくらでもあるんだし。
「……いくら簪ちゃんが可愛いからって襲っちゃだめよ?」
「今の会話の流れでどうしてそうなるの!? それに同室にしたの楯無さんだよね!?」
相変わらず人の思考をかき乱すのがうまい……というか人の
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