Development
第二十話 拒絶
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どもあって割と忙しいようなので一緒にいる時間は減ったと言える。
一方の僕は、幸か不幸かそんな忙しさとは無縁のため時間が余っていた。なので、復学以降続けていたリハビリと授業内容の復習、楯無さんから借りたノートなどでの休学中の授業内容の確認などにそのまま充てることにした。もっとも、授業関連に関してはもう一度やり直すことになるのだから無理にすることはないのだけど、せっかくだから無駄にしたくはない。予め内容を把握しておけば、その時には別に必要なことに時間を割けるだろうし。
そんな訳で、割と充実した日々はあっという間に過ぎて行った。
三月も間もなく終わりというころ、ちらほらと新入生の入寮も始まったようで周りも少しずつ賑やかになってきた。当然ながら、僕一人が一年生寮に残っていた形なので最初の何日かは周りに誰もいない、かなり寂しい状況だったから一年生寮で人を見かけたときは少しホッとした。
そして、僕の部屋にも同居人が遂にやってきたようだ。部屋で本を読んでいたところ、ノックが聞こえてくる。織斑君……ようやく、というより久しぶりに男の人と会話できる気がする。
最近はそのことが当たり前となってきたとはいえ、いざ同じような境遇……とは言えないけど唯一無二だった男性操縦者の二人目が現れた今、そこに仲間意識を求めてしまうのは仕方がない。
「少々お待ちください、今開けますね」
心なしか自分の口から発せられる声もどこか上機嫌に聞こえる。
軽い足取りで扉に向かい、その前にいるであろうたった二人の未来の戦友を迎えようとその扉を開ける。
「お待たせしま……あ」
しかし、そこにいたのは織斑君……ではなく、眼鏡をかけた少女だった。セミロングでやや癖のあるその髪の色は僕がよく知っている人と似ていた。そのことから、瞬時に彼女が誰かを悟る。予期せぬ来訪者に僕は思わず言葉を詰まらせてしまった。
「……あなたも、やっぱり私のことをそういう目で見るんですね」
そして、彼女の表情の変化が僕の失態を物語っている。
「今日からこの部屋でご一緒する更識簪です。……ですが、あまり私に構わないでください」
その瞳からは失望と諦念が見て取れた。……僕はなんて馬鹿なんだ。
確かに、千冬さんからしてみたら同じ男の僕を織斑君の同室にしたいと思うのは当然なんだけど、それが叶うかといったら微妙なところだ。何故なら織斑君は世界が注目する男性操縦者、当然ながら各国政府からの圧力もあるだろうし、学園も慎重になる。誰が同室でも角が立つし、本来なら一人部屋なんだろうけど今年は例年以上に入学希望者が殺到して、定員を増やしたせいで部屋に空きがない。
ならだれが同室になるか、だけど……恐らく束さんの妹の箒さんになる可能性が高い。同じように保護されて
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