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第二十話 拒絶
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からボーっとして考え込んじゃっていた。ちょっと表現が引っかかったけど素直に考え事の内容を白状する。
「? あぁ、そういうこと……ふふ。ま、いっか。そうね、確かに織斑君と一緒の部屋になったら紫音ちゃんは襲われちゃうんじゃないかしら。こんな可愛い子と寝起きを共にして理性が保てる男なんて枯れてるか、そっちの気があるんじゃないかしら。あら? でもそっちの気があるならむしろあなたで問題ないんじゃ……」
「ストップ!? それ以上は止めて! 考えたくない!」
何が気になったのかちょっと考える素振りを見せると、すぐに納得したのかとんでもないことを言ってくる楯無さん。せっかく自分で納得して大丈夫だと思い込もうとしたのに、楯無さんにまで言われると本当にそうなんじゃないかって不安になってくる。
「どっちもいけるなんて紫苑君……恐ろしい子。一粒で二度おいしいとはこのことね」
「いけるのは僕じゃないし!? じゃなくて、勝手にそういう状況にもっていかないで!」
も、もし織斑君がそっちの人だったら……やっぱりあとで千冬さんに確認しておこう。
ちなみに後日、本当に聞いてみたら殴られたことは言うまでもない。酷い……。
「ふふふ、実は紫苑君から連絡があって学園復帰するまでの間にこの部屋は完全防音、その他セキュリティ面とかちょいちょい改造してあったのよね。心置きなくよろしくやっちゃいなさい!」
「いつの間に……もういいよ、その話しは。大体なんのためにそんな……あ」
いろいろツッコみたいことを飲みこみつつそこまで言って気づいた。この部屋のセキュリティを向上させる理由なんて限られてくる。
「僕のため……?」
「ま、全部が全部ってわけじゃないけどね。でも一番は……そうね」
僕の正体露見の可能性を下げるため、ということ以外にも亡国に狙われたりSTCの襲撃に巻き込まれたりと物騒だった。束さんへの接触を目論む連中からも狙われる可能性すらある。そういった意味で、準備してくれたのだとわかった。
それに、全部じゃないというのは仮に織斑君が入った場合のことだろうか。彼も男性操縦者ということで恐らく世界中から注目されているから危険度は僕以上かもしれない。
「……ありがとう」
「どういたしまして。ただ、代わりにというのはズルいかもしれないけどあなたに一つお願いがあるの」
楯無さんのお願いというと思わず身構えてしそうだけど、冗談を言うような雰囲気ではない。
「僕にできることなら」
なら、僕にはそれに出来る限り応えるだけだ。
「あなたに……妹の事をお願いしたいの」
「え?」
でも、続く言葉に僕は思わず聞き返してしまった。彼女には来年入学する妹がいるのは知っているけど、なぜその子を僕にお願いすることになるの
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