暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第1章 『ネコの手も』
第6話 『役に立つメモ』
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機動六課の食堂は何も、朝食時、昼食時、夕食時にのみ開いているわけではない。不定期に時間が空いた場合に息抜きをするという時――そのときは全てセルフサービスである――にも利用価値があるため、基本、人の出入りが少ないときも省電力で利用可能である。
はやては自分の守護騎士であるシグナム、ヴィータ、ザフィーラからここ数日のガジェットの動きや新たに発見できたこと、疑いのあること等の調査結果報告を受けた後、すこし遅めの夕食をとるために、みんなで食堂に行くことにした。
「そういえば、新人たちの新しいデバイスはいつできるんだ?」
「確か、今日調整が終わったと言ってましたので、早ければ明日には支給できるはずです」
そうすると、アタシも参加しなきゃなんねェな。と両手を頭の後ろであわせて、面倒そうにヴィータは溜息を吐くがどこか楽しそうである。
そんなことを話しながら食堂まで足を運ぶと、1人の女性が1人の男性にぺこりとお辞儀をしてから、小走りで自分たちにも立ち止まってお辞儀をしていそいそと通り過ぎる。
「お疲れ様です。コタロウさん」
食事をそれぞれ持って、はやてたちはコタロウの隣のテーブルに座ることにした。
「お疲れ様です。リインフォース・ツヴァイ曹長」
リインは彼のいつも通りの丁寧な挨拶に、いつも通りの不満顔を見せる。
「今の人、どないしたん? ぬいぐるみを持ってたんやけど……」
そう、先ほどの通り過ぎた女性の手には、頭が人の拳3つくらいのクマのぬいぐるみを持っていたのだ。
「はい。彼女には双子の娘息子がいるそうなのですが、喧嘩をしてぬいぐるみの引っ張り合いにあいになり、首が生地一枚を残して取れてしまったのです」
お昼の空いた時間に直そうとしていたらしいのですが、お裁縫道具を忘れてしまった上に忙しかったようで、直す手段を持ち合わせていなかったようです。と裁縫道具をつなぎ右腕ポケットにしまう。
しかし、コタロウが自らその女性に「どうかされましたか?」 と訊ねたわけではない。
女性は午後も中ごろに差し掛かる頃、彼が隊舎のインフラ周りを
観
(
み
)
るために移動している最中に袖がほつれていたのに気がつき、そのポケットから裁縫道具を取り出して器用に上半身だけ脱ぎ、歩きながら直しているところを見かけた。普段の彼女であれば、初対面の人間に話しかけることはしなかったが、このぬいぐるみが自分の子どもの喧嘩の解消させる最後の一押しであるため――すでに喧嘩は収まっているがぎこちなさが残っている――話しかけることにしたのだ。
本当であれは自分で直したかったが、
「私の子がぬいぐるみを壊してしまって……」
「直せばよろしいのですか?」
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