暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第1章 『ネコの手も』
第6話 『役に立つメモ』
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 実際のところ局員として勤めている彼女ではあるが、どこかしら年齢の低いところがうかがえることができ、初対面の人や、あまり親しい人でなければコタロウのような呼び方でもかまわないが、デバイスの作成をしているシャリオの下にいる彼とは話す機会が少なくなく――コタロウの方から話したことはないが――彼はとげとげしいイメージも皆無であることから、どちらかというともうすこし親しくなりたいという人物になっていた。
 もちろん、それははやてやなのは、新人たちも同様であるが、リインと違って彼らは幾分年齢を重ねた大人に近い精神の持ち主である事と、彼が自分等より年上である事から諦めていた。あわよくば、そうなってほしいという程度に(とど)めているのだ。


「リイン、せめてリインフォースと呼んでほしいです!」


 彼女は『諦める前に訴える』という、時には良いほうに転ぶが局員であれば悪いほうに転ぶほうの多い、子どもっぽさを前面に出した。


「そういうことやね」


 状況的にはこれは有効であったが、


「それはできません」


 私は自分の性格は知っているつもりです。とすっぱりと断られると、リインは『う〜』と唸り、


「呼んでください」


 もう一度訴えた。


「できません」


 もう一度断られる。


「コタロウちゃんと呼びますよ?」
「構いません」


 また唸る。


「呼んでください」
「できません」
「上官命令です。呼びなさい! です」
「それは公私混同していると思いますので、お断りします」


 このようなやり取りがどれくらい続いただろうか、リインの目尻に涙が溜まってきたあたりで、ヴィータがたまらず呟く。


「別にいいんじゃねェの? 呼んでやればいいじゃん」
「せやね。コタロウさん、すこし(かたく)な過ぎませんか?」
「リインちゃんもそう言っているみたいだし」
「構わないのではないか?」


 一様に、リインの意見を尊重した。


「リインはただ、もうすこしコタロウさんと親しくなりたいのです」


 彼女はもう少しで決壊しかねない目をコタロウに向け、素直に気持ちを述べる。
 コタロウはそのまま目をそらさず、


「例えそう呼んでも、空曹長と私が親しくなることはないのでは?」


 当たり前のように表情も変えず、言葉を吐いて首を傾げた。


「…………」


 彼女は一瞬ぽかんとした後、急に熱が冷めたように表情から感情がなくなり、


「コタロウさんなんて、キライです」


 そういい残して、リインははやてが持ち歩く移動型寝室にふよふよと力なく入っていった。


「……コイツ、最
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