暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第1章 『ネコの手も』
第6話 『役に立つメモ』
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〜困った時の機械ネコ〜
第6話 『役に立つメモ』






 つまるところ、コタロウの配置は現状維持で、空いた時間は彼の自由にさせることにした。
 後日、その旨を彼に伝えたところ、


「空いた時間の具体的な指示はないのですか?」
「そうや」


 困った顔をされてしまった。


「なにか、不都合なことでもありますやろか?」
「あ、いえ、出向先では指示以外のことは禁じられていて、与えられた指示をこなしてきたもので」
「……この前の医療機器等の修理は、指示を出したつもりはあらへんけど?」


(コタロウさんを見出した上官はいないということやな)


「はい。他の場所でもこっそり……あ、隠れてやる必要がないということですか」


 はやては頷く。


「加えて、事後報告もいらへん。聞くところによると機械士は『修理屋』であって『開発屋』ではないねやろ?」


(何も悪いことはしてへんのに今まで隠れて作業をしていたんやなぁ。ジャニカ二佐は大抵をいうてたけど、今までの出向先すべて隠れてやってたとなると……)


 ジャニカ・トラガホルンのいう爪弾きという意味が少しながら把握でき、内心溜息を吐く。


「はい。古くなった電灯を取り替えるような作業が機械士の本分です」
「リインのデスクみたいなことは趣味の範囲ということや」


 はい。と頷く。


(つまり、見出せない人というのは機械士の本分である領域を狭めてたというわけや。新しい物を作るとか、より良いものを作るわけではないんや。かつ、デバイス等個人所有物に手を出すような領分侵犯はない)


「であれば、むしろよろしくお願いします。私たちが動きやすくなるように、ちょっと庶務みたいな仕事になってしまうかもしれんのやけど」
「そういうことであれば、了解です」
「具体的な指示がほしいときは、近くにいる隊長陣に仰いでください。するときも同様で、従ってください。くれぐれも体を壊すような無理はしないこと」


 技術を駆使する人間は、自分の体に無理することは良く知っていたため釘を刺す。


「了解です」






△▽△▽△▽△▽△▽






 現在、裁縫道具をしまった彼は、一度席を立ち、飲み物を持って同じ席に再び座る。
 はやてたちはお互い今日あったことをもう一度、今度はいつも通りのくだけた口調で今日あったことを和気藹々(わきあいあい)と話していた。
 そのなかでリインだけがどことなく表情が硬く、何かを考えているようだった。


「どうしたんや、リイン? そんな顔をして」
「何かご飯の中にはいってたのか?」


 一時の後、リインは無言でご飯にかぶりついた
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