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魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第1章 『ネコの手も』
第6話 『役に立つメモ』
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良ければ貸していただきたい。と言葉をつなごうとしたところ、コタロウは工機課いつも通りの受け答えをしたことと、自分が今日は定時に帰れるかもわからない状況であった事から、思わず、
「おねがいできますか?」 と頼むことになり、頼まれた彼は自分の作業が終わった後に直すことを断り、それがちょうど先ほどで、彼女が彼を迎えに来たのもちょうど先ほどであった。
「コタロウさんはお裁縫もできるんか?」
「はい。出来るほどかどうかはわかりませんが、あれくらいの修繕なら可能です」
はやては彼に修理や調整をしたときには事後でかまわないので報告をしてほしいと言った直後に
呆
(
あき
)
れたのはまだ日が新しい。
確かに、医療機器や給湯器、通風孔を直したのは彼である。はやてはそれ以外にも直している部分はあるのではないかと考えており、それは見事に的中したが、まさか各フロアの修理した箇所を画面に出し、1つ1つ説明を受けるとは思っておらず――40を越えた所で制止させた――逆に隊舎内放送で『突然機器が修繕されたりすることがありますが、お気になさらず』と話すことになるとは想定の範囲外であった。
はやては彼を臨機応変に動かすつもりであったが、既に自分が把握していない庶務の部分、特にインフラ周りに関しては臨機応変に動いており、彼のポジションをどうするか考え直す必要があった。
以前、ゲンヤ・ナカジマに今度会う約束を取り付けるついでに、コタロウについて話したことがあった。
△▽△▽△▽△▽△▽
「優秀なやつがきたなぁ。まぁ、
機械士
(
マシナリー
)
というのはそういうもんだ。どこのメカニックの下についても、そつなくこなすからな。決まって最近の若い上官――30代やそこら――は考えが二極化する。機械士を見出すか、そうでないかだ。そうでないやつはただあるポジションに固定配置させて何もさせず任期終了。見出すやつは、お前さんみたいに悩むわな。しかし、なんとなしに取った配置が一番機械士の能力を引き出していることに気づくのは任期終了させてからだ」
それはなんです? とはやてが訊ねると、
「適当に配置させて、その後何もしないこと」
「それは見出さない人と変わらないのでは?」
「『させない』と『しない』では意味が違うだろう? 機械士は困った時に困った場所に配置すればいいのさ」
機械士の話題の終わりに、ゲンヤはぼそりとこうつぶやいた。
「しっかり受け継がせてるじゃねぇか。“困ったときの
機械イヌ
(
マシナリードッグ
)
”」
彼はコタロウの別名なんて知らなかったし、はやてはドグハイク・ラジコフの別名を知らなかった。
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