暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第1章 『ネコの手も』
第5話 『それを押すだけ』
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△▽
それから数日間は何事もなく通り過ぎて行き、コタロウは少しずつ馴染んでいった。
そのなかで彼についていくつかわかったことがある。
その一つは、誰に対しても丁寧な口調であることだ。それは階級、年齢、勤続年数のどれにも当てはまらず一定であり、まだ彼の年齢を知らない人間からしてみれば本人の階級から、自分よりも若いという錯覚に陥れていた。
何故、トラガホルン夫妻には敬語を使わずに会話していたのかと問うと、
「しばらくあの夫婦と一緒に3人で暮らしていたからだと思います」
と彼ら3人がなのは、フェイト、はやてと同じような友好関係を築いているということくらいしかわからなかった。
その次は、彼は自分から話題を振ることはない、物静かな人であることだ。
食事の時も、ヴァイスが誘わない、あるいはいないときは1人で食事をとることが多く――もっとも、ヴァイスが誘わないということはなかったが、自分から誰かと一緒にご飯を食べることはなかった。
そして今は夕飯
時
(
どき
)
でコタロウは食堂にはおらず、いるのははやて、なのは、フェイトとヴォルケンリッターである。
「新人たちはどうやの、なのはちゃん?」
「伸びしろはあるからねぇ、ここ数日でどんどん伸びてるよ」
「ごめんね、なのは。手伝えなくて」
「ううん。忙しいんでしょ? 全然大丈夫だよ」
フェイトが申し分けなさそうであるが、なのははそんなことは気にも留めなかった。
「それに、レイジング・ハートやコタロウさんが手伝ってくれてるし」
ね、レイジング・ハート? と胸元に話しかけている。
「……コタロウさんって、どんな人? 私も話してはみたんだけど、こう、なんていうか……」
あの、そのぅ。と言いよどむと、
「ヘンな人、かなぁ」
なのはは正直に応える。フェイトもゴミ箱に頭を突っ込んだコタロウをみているため、同じ意見である。
「やっぱり、なのはちゃんでもそう思うんか?」
はやての言葉にこくりと彼女は頷く。
「悩むときは眉を寄せたりするけど、いっつもぼやぁっとしてて、にこりともしないんだ」
「不真面目そうなら、一発喝を入れてやろうか?」
ヴィータはぷすりとフォークでトマトを刺して口に運んでにやりと笑うと、なのははぶんぶんと首を横に振る。
「ううん。コタロウさんにはすごく助けてもらってる」
「一緒に新人たちをおしえてるんか?」
彼女はもう一度首を横に振る。
「あのね、片腕でエイミィさんくらい操作がはやいの」
「……嘘やろ?」
彼女たちの知るエイミィは現在は現役を引退しているが、当時を思い出してみて
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