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魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第1章 『ネコの手も』
第5話 『それを押すだけ』
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魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第5話 『それを押すだけ』






 昨日の彼はロビーにいて隊長陣の挨拶を聞き、ヘリに乗ってはやて、フェイト、ヴァイスに簡単な自己紹介、その後は待機を命じられていた。
 本日の彼は新人たちの早朝練習を見学して、上司であるシャリオから自分の役割を伝えられ、朝食の後からが本格的に働くことになる。
 つまるところ、コタロウの機動六課出向後初の実質的な仕事振りを見るのは、なのはと新人たちである。


「じゃあ、午前の訓練を始めようか」
『はい!』


 なのはは次に今日の午前の訓練内容を説明する。


「それでは、コタロウさ――」
『…………』


 なのはは訓練場の設営を依頼しようとして振り向くと、既にコタロウは端末を開いてキーをタッチしており、彼女は言葉をとめていた。
 新人たちも彼女に合わせて視線を彼に向けるが、なのはと同じように言葉を無くしている。
 彼がキータッチ操作を片手でしなければならないことは、今日の朝食後すぐに知ることができたが、彼が訓練場を設営した時間と昨日今日みたシャリオが両手(・・)で操作して出現させたそれとがほぼ同じくらいであること、つまり、彼のキータッチの速さは当然ながら知るすべがなく驚いた。


「す、すごい」
「文章打つのが苦手な私が見ると、一入(ひとしお)だよ」


 完全に訓練場が具現化した後に、ティアナとスバルが言葉を漏らす。


「高町一等空尉、設営完了しました」
「あ、ありがとうございます」


 それじゃあ、行こうか。となのはは新人たちを促した。


「コタロウさん、キータッチ早いですねぇ」


 移動中にスバルが素直に感想を述べ、ティアナは顔に手を当ててため息を吐く。


[スバル、あんたねぇ]
[ん? いや、わかってるんだけどさ。気にしなくていいって、ジャニカ二佐が言ってたから]


 彼女はにっこり笑う相手のその真っ直ぐなところに素直に感心することがある。


「そうですか? ありがとうございます」
「やっぱり、その、練習したんですか?」


 しかし、そのスバルでも『片腕がなくなってから』というキーはたたけなかった。


「はい。練習はしましたが、それは皆さんも同じではないのでしょうか?」
「……へ?」


 コタロウは質問を投げ返すが、その質問に首を傾げる。


「初めて操作するときは、練習はすると思うのですが」
「え、あの、はい。それはそうですけど」


 そうではなくて。と彼女は言いよどみ、今度はコタロウも首を傾げ、


「あ。『片腕がなくなってから』ですか?」
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