暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第1章 『ネコの手も』
第5話 『それを押すだけ』
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「ところでジャニカ二佐?」
「ん?」
「何で、コタロウさんをネコと言うてるんですか?」


 はやてが最後の質問とばかりに小首を傾げながらたずねると、あー。とジャニカは声を漏らす。


「それはな」
「それは?」


 彼はニッカリ笑った後、


「……秘密だ」
「なんだよそれ」


 ヴィータが今までの空気を吹き飛ばす力の抜けた溜息を吐く。


「まぁ、ある時ふっとわかるようになるさ。ネコっぽいだろ? あいつ」


 確かにそう捉えられなくもないが、含みのある言い方をする。


「それじゃあ、マシナリーキャットというのは何です? キャットというのはわかるのですが……」


 今度はリインフォースが首を傾げる。
 護送車はジャニカの前にとまり、運転席からロビンが、助手席からはコタロウが降車する。


「あー。こいつの資格の数、みたか?」
 こくりと頷く。


「下手すりゃ、ここにいるやつらの――ヴォルケンリッターを除く――年齢の総和の2倍近くあるからな」
『え?』


[はやてちゃん、そうなの?]
[あれは驚くで?]


 ここにいるメンバーは軽く驚く。


「3年前で」


 さらにジャニカは付け加える。それは、今はどれくらいあるかわからないということを言っていた。


「課には大抵、メカニックがいるだろう?」
 これは言わずもがなである。
「メカニックと聞くと『それ専門の』が頭についたりするイメージがあるからな。だが、ネコの所属する電磁算気器子部工機課には、そういった(くく)りがない。あらゆる機械という機械をすべてそつなく修理する。だからその工機課の人間たちを――」
機械士(マシナリー)と呼ぶ」


 ロビンはすっかり気を取り直していて、平常心を取り戻していた。


「人の会話にずかずか入ってくるなよ。まぁ、そういうことだ。ネコに仕事をお願いするときは、俺らはそう呼んでる。な、ネコ?」
「その機械ネコ(マシナリーキャット)の普及活動まだしてるの?」


 すごい恥ずかしいんだけど。と眉根を寄せてジャニカをみる。


「この通り、当の本人は嫌がっているがね」
「これだけは私もジャンに同意するしかありません」


 ジャニカとロビンが視線をとめた先には、1人ため息を漏らしているコタロウがいた。
 その後、トラガホルン夫妻はここにいる全員にもう一度、敬礼と言葉を述べ、お互いに皮肉を言い合いながら車へ乗りこみ、彼ら唯一無二の親友にこう言い残して車を走らせていった。


『じゃあな(それでは)、ネコ。何かあったときには頼むぞ(お願いします)、“困ったときの機械ネコ(マシナリーキャット)”』


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