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『八神はやて』は舞い降りた
第1章 悪魔のような聖女のような悪魔
第5話 名前を呼んで
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の意思。人工知能――AIみたいなものなのかな』

 ――その認識でおおむね合っています。わたしは、マスターを補助するための存在ですので

 『名前――そう、名前はあるの?』

 ――いいえ

 『名前がないと不便じゃない?ボクから名前を贈りたいんだけれど……どう?』

 ――構いません

 『よしっ!夜天の主の名において汝に新たな名を贈る。強く支えるもの、幸運の追い風、祝福のエール、リインフォース』 


「――フォース。聞いているか、リインフォース」

「ん?すみません。少々物思いに耽っていました。烈火の将は何用ですか?」

「いや、かまわん――――不安か?」

「そう見えますか?……そうなのかもしれません。マスターは、わたしにとっての全てだから」


 烈火の将には、わたしの内面を見抜かれていたようです。
 先頭に立ち、率いる将だからこそ、周囲のケアも万全というわけですか。
 普段の姿(バトルマニア)から、想像もつきません。


「何か失礼なことを考えていないか?」

「いいえ、気のせいですよ」

「おいおい、リインフォース。はやては、あたしたちが守る。何も心配もいらねえよ」

「うふふ、ヴィータちゃんの言う通りね。はやてちゃんに立ちふさがる障害は、わたしたちが全て排除すればいいだけの話」

「その通り。私という自宅警備員がいる限り、主には指一本触れさせん」

「主はやても、当初からは想像もつかないほどに強くなられた。我々は、やれるだけの準備はしてきた。過ぎた不安は、身を滅ぼすぞ?」


 守護騎士たちに励まされるとは。管制人格失格ですね。
 けれども、昔を知るわたしからすれば、信じられない光景です。
 感情をもち、ともに笑い、苦労し、こうして励まし合う。 
 すべてマスターはやてが与えてくれた、幸せ。 


「うむ。主はやてが我々に与えてくれた恩に、いまこそ報いるときが来たのだ」

「そうですね。マスターと私たちは、『原作』がもたらす波乱に、対抗するために必要な力をつけてきました。マスター本人も、必死に努力してこられた。だから――だからあとは、マスターのデバイスとして責務を果たすのみ」

「その通りだぜ。はやてだって、いつも通りに振る舞ってんだ。あたしたちは唯、はやての信頼に応えればいい」


 鉄槌の騎士は、その姿からは想像もつかないほど、鋭い発言をすることがありますね。
 おかげで、迷いが晴れました。


「オイ、喧嘩売ってんのか?」


 気のせいですよ。
 いまだに、マスターに姉と呼ばせている姿が、
 背伸びしている子どものようで微笑ましいなど、全く思っていませんよ?


「やっぱり、喧嘩うっているだろ!?」

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