第1章 悪魔のような聖女のような悪魔
第5話 名前を呼んで
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う。主が気になさることはありません。わんこモード、よい響きだと思います」
(それでいいのか盾の守護獣。いや、ボクが呼んだんだけどさ)
まあ、だいたいこんな感じである。たぶん。きっと。
つまるところ、ボクは、転生モノの例にもれず、ハイスクールD×Dという作品の世界に転生したのだろう。
ただ、そのわりには、前世のプロフィールは思い出せない。
死ぬ間際の記憶も、神様とあった記憶も、どんな転生特典を頼んだのかも、全く覚えていないのである。
転生先や、転生特典を選べるパターンが主流にも関わらず、だ。
まあ、テンプレはあくまでテンプレであるから、そこまで気にする必要はないだろう。
「それじゃ、これで皆そろったね」
推測になるが、夜天の書は、転生特典で得たのではないだろうか。
それならば、説明がつく。バグが修復されているのも。無尽蔵の魔力も。
ボクが、「八神はやて」なのも。
なにはともあれ。昨日、クラスメイトの兵藤一誠――――彼こそが、原作主人公様である――――が、他校の美人さんに、告白されたという話を聞いた。
原作に描写されていた一幕である。
つまりは、前世でアニメや小説だった物語が始まる。
「では、いただきます」
「「「「「いただきます!」」」」」
2度目の人生。
――2回目の現世における家族。
2度目の高校生活。
――2年目の高校における新生活。
ボクは、すべてひっくるめて、いまの生活が気に入っている。
けれども、ボクの学校――駒王学園が、原作と呼ばれる物語の舞台であり、台風の目になることを「知っている」。
だからこそ、出来る限りの準備をしてきたのだ。
あの日、決意し、決断した日からずっと、待ち望んできたのかもしれない。
さあ、今日もいい天気だ。学校へ行くとしよう。
わんこモードのザッフィーをひと撫でしてから、玄関から飛び出す。
「いってきます」
――――大切な家族と暮らしていくために。
◆
「とうとう『原作』とやらが始まるのですね」
わたしは、長らく破壊の権化として、次元世界に災厄をもたらしてきた。
もはや、思い返すことが億劫なほどの昔から、最悪のロストロギア「闇の書」として、恐れられてきた。
管理局と相対し、アルカンシェルに撃たれた時も、諦めの境地にいた。
――また同じことを繰り返すのか、と。
しかし、何の因果か、わたしは『夜天の書』として、いまここにいる。
起動したときは、マスターは殺される寸前で混乱したものだ。
けれども、何よりも忘れ難い記憶は……
『なるほど。管制人格とは、魔道書
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