第二章
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第二章
泣き疲れて寝たらしい。瞼が腫れている。何でそうなったのかもう理由はわかったいる。
苦笑いと一緒に溜息を出して声をかける。すると。
「えっ!?」
「起きた?」
ゆっくりと目を開けた彼女を見ての言葉だ。
「起きたかな、それで」
「何で?」
「何でって。怒ってたから来たんだけれど」
「嘘みたい・・・・・・」
僕の言葉には応えずに呆然とした声をあげた。
「こんなことって」
「こんなことも何もないじゃない」
「ないじゃないって」
「それじゃあ」
僕はそんな彼女にこう言った。
「御免ね、泣かせて」
「それは」
「何処かに行く?」
また彼女に言った。
「今から」
「ええ、じゃあ」
「何処がいいかな」
また彼女に問うた。
「好きな場所でいいよ」
「私の好きな場所に」
「うん、何処でもいいから」
瞼が腫れてしまっていても澄んだ顔になっている彼女への言葉だ。
「好きな場所を言って」
「有り難う・・・・・・」
こうしてこの日も僕が謝ってそれで仲直り。その日は彼女の好きな喫茶店に入った。可愛らしい趣味でも欲のない彼女らしい好みの店だ。
アンティークな内装のその店に入って紅茶とケーキを頼む。どちらも彼女の好きなものだ。それを御馳走してそれから話すのだった。
「寂しいのは嫌だよね」
「寂しいのは?」
「うん、嫌だよね」
微笑んで彼女に言った言葉はこれだった。
「それはね」
「ええ、そうね」
彼女はケーキと紅茶を前にして僕の今の言葉に応えた。
「それは」
「気まずいままで別れたその日は最悪だよ」
僕は今度はこう言った。
「全くね」
「全くなの」
「うん。全く」
また言った僕だった。
「本当にね」
「それは」
僕のその言葉を聞いてだった。彼女も気付いた様な顔になって言ってきた。
「私も」
「君もなんだ」
「ええ」
僕のその言葉にこくりと頷いての今の彼女の言葉だ。
「そうよ。それは」
「そうだよね。それが一番寂しいよ」
「本当にね」
「だからね」
僕は彼女に言ってあげた。
「一緒にいよう」
「私も」
そして僕の言葉を受けた彼女は微笑んでくれて。僕にまた言ってきてくれた。
「御免なさい」
「うん」
僕は勿論その言葉を笑顔で受けた。そのうえでキスをして仲直り。お互い素直になるのは難しいけれど素直に謝ったら。神様が御褒美をくれた。
素直にアイムソーリー 完
2010・2・18
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